アマ写真家・日田さん、最後の個展「撮っておきの佐渡 FINAL」12日から三次で
アマ写真家・日田さん、最後の個展 12日から三次で

福山市横尾町のアマチュア写真家、日田正幸さん(68)が12日から、最後の個展を開く。古希が近づき、「写真に『老い』が表れる前に」と決断。6年間暮らし、ライフワークとしてレンズを向けてきた新潟県・佐渡島の風景を展示する。

「老い」を感じる前に決断

日田さんは花を中心にカメラで自然を切り取ってきた。最後の個展では、苔むした岩の間を流れる清流が雲海のような「幽谷の渓流」や、天日干しのイカのシルエットがアスファルトに落ちて切り絵に見える「影の値段」など、何げない島の日常を絵画を思わせる作品に昇華させたものを展示する。

日田さんがカメラを通して自然と対話するようになったのは30歳の頃。亡くなった義兄の愛機を譲り受け、庭先のスミレを撮ったのが始まりだった。「白い花を咲かせ、スミレにも紫色以外の種類があると知って野草に興味を持った」と振り返る。

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佐渡島との出会いと移住

週末にはカメラを手に近くの河川敷を歩き、長期休暇には長野県など全国各地を旅した。「特定の花が目当てではなく、旅先で出会った花が『私を撮って』と語りかけてくる。その声にときめいたらレンズを向ける」と話す。

サークルやグループには所属せず、写真雑誌を読んで技術を磨いた。1996年には写真集を自費出版。作品を投稿した雑誌の寸評で「人目にさらさないと、自分も磨かれない」と指摘されたのを機に、2002年から三次市のギャラリーなどで個展を開いてきた。

「手つかずのまま残る自然」を求め、2008年5月に初めて佐渡島へ。3年連続で訪れるほど気に入り、2014年4月に移住。家庭の事情で福山に戻るまでの6年間、トレッキングガイドをしながら佐渡の風景を撮影し、2015~2021年に計7回、「撮っておきの佐渡」と題する個展で発表してきた。

「潮時」と感じて終止符

個展も25年で30回に到達し、年齢を重ねると「潮時」という言葉が脳裏をよぎるようになった。「腕が衰え、老いを理由にやめたくなかった」といい、「皆さんに見てもらえる質を維持している今が、その潮時だ」と、31回目で終止符を打つ決断をした。

それでも、写真への情熱は衰えていない。「何の欲もなく、『きれいだ』とカメラを向けていた頃の写真が一番好き」と日田さん。「発表の場はなくなるけれど、もっと自由に撮りたいものを撮る。写真を始めた頃の『ときめき』をとらえていきたい」と語る。

最後の個展「撮っておきの佐渡 FINAL」は今月12~27日、三次市甲奴町本郷のギャラリー&ミール「あみん」(0847・67・5211)で開催。入場無料。

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