北海道浦幌町で13日、アイヌ民族団体「ラポロアイヌネイション」が新しいサケを迎える儀式「アシ小書きのリチェ小書きのプノミ」を開催した。先住権をめぐる訴訟で判決が確定してから初めての「特別採捕」の期間中に行われた。
判決確定後初の特別採捕、儀式に50人以上が参列
浦幌十勝川の河口近くの草原で、前日に捕ったというオスのサケを囲み、「サケがたくさん遡上しますように」と火の神にアイヌ語で祈り、感謝を捧げた。儀式には道内各地のアイヌ民族など50人以上が参列した。
儀式で祭司を務めた団体理事の丹野聡さん(46)は「本来なら、権利が戻ってきている状態で儀式をしたかった。残念ながら、そうはならなかった。でも、下ばっかり向いてもいられない」と語った。また、「これまでの裁判でたたかう姿を見せてきた。他の地域が声を上げるきっかけになっていたら」と述べた。
2020年に提訴、二審判決で文化享有権認めるも漁業権は退ける
団体は2020年、先住民族に固有の権利(先住権)として地元の川でサケを自由に捕ることを求め、国と北海道を提訴。2024年4月の一審判決、今年7月の二審判決はアイヌ民族に固有の文化を享有する権利(文化享有権)があるとした一方、漁業権の確認を求めた訴えは退けた。
団体は「最高裁で(同様の)判例を残せば、他の地域が訴訟を起こしたときの妨げになってしまうかもしれない。希望の光を残したい」と上告せず、判決は確定した。
今年は80匹を上限に採捕、会員は「続けるしかない」と決意
団体は12日から、判決確定後はじめての「特別採捕」を行っている。道から許可を得た上で、今年は80匹を上限に川でサケを捕る。この日、捕れたのはオス2匹、メス2匹の計4匹だった。
会員の一人は「続ける。声を上げ続けるしかない。その先に、権利回復があるんだ」と語った。



