「今日は休肝日にしよう」と決めたものの、仕事終わりの一杯や飲み会の誘いに負けてしまう――。お酒好きなら一度は経験があるのではないでしょうか。健康のためにお酒を飲まない日を設ける「休肝日」ですが、実際の取り入れ方は人それぞれ。せっかく休肝日を設けても、翌日に普段より多く飲んでしまう人も少なくないようです。
そこで今回は、20~60歳の男女300人を対象に、休肝日の頻度や「休肝日あるある」について調査しました。あわせて、休肝日の効果や適切な取り入れ方について医師にも話を聞きました。※画像はイメージです
約3割が「休肝日なし」、一方で週4日以上設ける人も約3割
普段どのくらいの頻度で休肝日を設けているか聞いたところ、「休肝日は設けていない」が29.3%で最多となりました。一方で、「週に4日以上」が28.7%とほぼ同率で並び、その差はわずか0.6ポイントでした。休肝日を積極的に設ける人がいる一方で、まったく設けていない人も同程度いることがわかります。
また、「週に2~3日程度」は17.3%、「週に1日程度」は10.3%となり、週に1日以上の休肝日を設けている人は56.3%となりました。意識的に飲まない日を作っている人も少なくないようです。
「ノンアルで乗り切る」「つい飲んでしまう」休肝日あるあるも
休肝日にまつわるエピソードを聞いたところ、「ノンアルコールビールで乗り切る」「代わりに炭酸水を飲む」といった声が多く寄せられました。お酒の代わりとなる別の飲み物を活用しながら、休肝日を設けている人も多いようです。
その一方、「ついつい飲んでしまう」「休肝日に限って飲みたくなる」といった回答も目立ち、休肝日を設ける難しさを感じている人もみられました。
- 朝は飲まないと決めるが、夜になると飲んでしまう(沖縄県/男性/50歳)
- 休肝日を設定しても、飲み会があるとプランが崩れる(福岡県/男性/54歳)
- ノンアルで飲酒欲を満たす(神奈川県/女性/43歳)
- とにかく気合いで乗り切る(千葉県/女性/26歳)
- グラスに氷を入れ、レモンを添えて「これはハイボールだ」と自己暗示をかける(東京都/女性/26歳)
約半数が「休肝日翌日に飲みすぎることがある」
休肝日の翌日、普段よりお酒を多く飲んでしまうことがあるかを聞いたところ、「よくある」が21.2%、「ときどきある」が29.7%となり、あわせて50.9%と約半数を占めました。一方、「あまりない」は23.1%、「まったくない」は25.9%で、「飲み過ぎることはない」という回答はあわせて49.0%となりました。
休肝日を設けること自体は広く浸透している一方で、休肝日の翌日に飲酒量が増えてしまう人も少なくないようです。
「休肝日明けの飲み過ぎ」健康への影響を医師に聞いた
今回の調査では、約半数が休肝日の翌日に「つい飲み過ぎてしまうことがある」と回答しました。せっかく設けた休肝日がかえって飲み過ぎにつながることはないのでしょうか。休肝日は本当に健康に良いのか、また休肝日明けの飲み過ぎが体に与える影響について、医師に聞きました。
中路幸之助氏(1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院 内視鏡治療センター/米国内科学会の上席会員/日本内科学会総合内科専門医/日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医)は、1991年に兵庫医科大学を卒業後、兵庫医科大学、獨協医科大学を経て、1998年 医療法人協和会に所属。2003年から現在まで、医療法人愛晋会中江病院の内視鏡治療センターで臨床に従事しています。専門分野はカプセル内視鏡・消化器内視鏡・消化器病です。
休肝日は肝臓を休ませ、飲酒量を見直すきっかけにも
休肝日とは、「意識的にお酒を飲まない日を設ける」ことです。厚生労働省の飲酒ガイドラインでも、1週間のうちに飲酒しない日を設けることが推奨されています。
休肝日を設けることで、肝臓をはじめとする臓器に修復の時間が生まれるだけでなく、結果として飲酒総量を減らすことにもつながります。また、一定期間飲酒を控えた人では血圧や血糖に関わる指標、肝機能の改善が報告されているほか、日本人を対象とした大規模研究では、休肝日を設けている人の方が、設けていない人に比べてがんや脳血管疾患による死亡リスクが低かったことも報告されています。
目安は週2日、まずは週1日からでも十分意味がある
休肝日を設ける目安は、一般的には「週2日程度」といわれています。ただし、平日に毎日飲んで週末だけまとめて休むよりも、「2〜3日飲んだら1日休む」といった形で休肝日を分散して設ける方が望ましいとされています。
一方で、週1日の休肝日でも意味がないわけではありません。実際に、週1〜2日の休肝日でも死亡リスクの低下との関連が認められた研究結果があります。まずは無理なく週1日から始め、慣れてきたら週2日を目指してみましょう。また、休肝日の日数だけでなく、1週間を通じた飲酒総量を意識することも重要です。
休肝日明けの飲み過ぎには注意
今回の調査では、約半数が「休肝日の翌日に普段より多く飲んでしまうことがある」と回答しました。厚生労働省も休肝日の反動によって飲酒日の酒量が増える可能性について注意喚起をしています。
休肝日の翌日に多く飲んでしまうと、結果として週単位の飲酒量が減らず、せっかくの休肝日の効果が薄れてしまうおそれがあります。また、一度に大量のお酒を飲むことで血中のアルコール濃度が急激に上昇し、急性アルコール中毒などのリスクが高まる可能性もあります。
休肝日さえ設ければ大丈夫というわけではありません。飲まない日だけでなく、飲む日の量にも気を配ることが大切です。
ノンアルコール飲料や炭酸水の活用は有効
日本の研究チームが発表した比較試験では、ノンアルコール飲料を取り入れた人は飲酒量が有意に減少し、その効果がしばらく持続したことも報告されています。ノンアルコール飲料や炭酸水は、「飲む」という習慣や気分転換を維持しながらアルコール摂取量を減らせる点がメリットです。ただし、商品によっては糖類やプリン体を含むものもあるため、成分表示を確認しながら選ぶことがおすすめです。
続けるコツは「完璧を目指さないこと」
休肝日を続けるコツとして、曜日を固定する、アプリやカレンダーで記録する、自宅にお酒を常備しないといった工夫が有効とされています。また、飲み会などで予定通りに休肝日を実践できなかった場合も、翌日以降に振り替えるなど柔軟に考えることが長続きのコツといえるでしょう。
一方で、休肝日を設けようとしても繰り返し失敗する、飲まないとイライラする、眠れないといった場合には注意が必要です。休肝日は肝臓を休ませる日であると同時に、自分の飲酒習慣を見直す日でもあります。コントロールが難しいと感じる場合は、早めに専門医や相談窓口に相談してみましょう。
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調査概要:調査時期は2026年8月21日、調査対象はマイナビニュース会員、調査数は男女合計300人、調査方法はインターネットログイン式アンケートです。