東日本大震災で自宅が大規模半壊以上だった被災者のうち、15年が経過しても7人に1人が深刻な心的外傷後ストレス反応(PTSR)を抱えていることが、東北大の研究グループの調査で明らかになった。被災初期に症状が悪化した人は、長期にわたり症状が続くリスクが約5倍に高まることが分かった。
15年間の追跡調査で判明
研究グループは宮城県七ケ浜町で震災直後から被災者のメンタルヘルスを支援し、国際的な指標に基づく質問項目を使ってPTSRの重症度を評価する調査を継続。大規模半壊(延べ床面積の50%以上70%未満の損壊)以上だった20歳以上の1291人(平均54歳、男性47%)の15年にわたるデータを分析した。
その結果、14.7%が15年経過後も深刻なPTSRを抱えていることが分かった。また、被災初期に症状が悪化していた人は、そうでない人に比べて長期的に症状が続くリスクが約5倍に達した。
長期的な心のケアの必要性
PTSRは、事故や災害で命にかかわるような出来事(心的外傷=トラウマ)を経験した後に、つらい記憶が突然よみがえったり、その出来事を思い出す場所や状況を避けたり、不眠やイライラが募ったりするといった症状が一定程度認められる状態を指す。PTSRの重症度の指標は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を診断する際のスクリーニングとしても用いられる。
研究グループは「災害精神医療には長期的な心のケアをする体制が不可欠。初期の症状からの変化を継続的に見守って寄り添い、必要な支援を切れ目なく届けることが大切だ」と提案している。研究成果は米医学誌に掲載された。



