2024年の人口動態統計(確定数)によると、老衰による死亡は約20万7000人で、総死亡の12.9%を占め、悪性新生物(がん)、心疾患に次ぐ第3位となった。2025年にはこの割合が13.5%まで上昇している。
老衰の統計上の存在感が急速に増加
高齢化に伴い、わが国の老衰の統計上の存在感は急速に増している。老衰は戦後長らく減少傾向にあったが、2001年以降に反転上昇し、2018年に脳血管疾患を抜いて3位になった。国立がん研究センターの「がんの統計2026」の表を見ると、その推移がわかりやすい。
増加の背景にある医療現場の姿勢の変化
この増加は、単に高齢化だけの反映ではない。近年、日本では死が近いことを理解している高齢者に対して、苦痛を伴う侵襲的な検査を重ねて「病名を探しに行く」ことは控えるケースが増えている。家族もまたそれを了承しており、自然な経過として看取る──そうした医療現場の姿勢の変化も、統計を押し上げている。
老衰は生物学的現象であると同時に、社会が老いと死をどう扱うかを映す鏡でもある。



