泌尿器科専門医の伊勢呂哲也氏は、高血圧対策において「減塩は重要だが、それだけでは不十分」と指摘する。悪玉(LDL)コレステロールも血圧上昇に直結するため、脂質の摂り方にも注意が必要だという。本稿は、伊勢呂哲也氏の著書『食べてはいけないもの×いいもの』(Gakken)から一部を再編集したものである。
減塩だけでは血圧は下がらない理由
血圧は健康診断以外でも自宅で簡単に測定できるため、身近な数値である。腎臓と同様に、最も避けたいのは塩分(ナトリウム)過多だ。ナトリウム過多は高血圧に直結し、「高血圧=塩分を控える」という意識は広く浸透している。体内の塩分が多くなると、水分が血液に集まり、体内の恒常性を保とうとする自己防衛反応が働く。その結果、血圧が上昇し、体への負担が増大する。
しかし、血管が狭くなることや血液がドロドロになることも高血圧の原因となるため、脂肪分の多い食品も避けるべきである。高血圧と悪玉コレステロール(LDL)が結びつくと、心臓や血管の循環器系疾患のリスクが著しく高まる。両方の数値が気になる人は、生活習慣の改善に真剣に取り組む必要がある。
コレステロールが多い「卵」は要注意
LDLコレステロールが増加すると、血管壁に付着して血管壁を薄くしたり、血管を狭めたりする。その結果、血流が悪化し血圧が上昇する。特に、レバーや卵などコレステロールの多い食品は控えるべきだと伊勢呂氏は警告する。
また、加工肉は見た目ほど塩分を感じないかもしれないが、美味しさや風味を引き出すために相当な塩分や食品添加物が添加されている。毎朝の食卓に加工肉を並べるのは食べ過ぎになる可能性がある。
カップ麺1杯でほぼ1日分の塩分
ラーメンも同様だが、カップ麺やインスタントラーメンには多量の塩分が含まれる。一般的なカップ麺1食には平均して5g以上の塩分が含まれている。一方、1日の塩分摂取目標量は男性で7.5g、女性で6gである。この目標を守ることは容易ではなく、守らなくてもすぐに病気になるわけではないが、血圧が気になるなら減塩を意識すべきだ。カップ麺を食べる際は、成分表示を確認し、食べる頻度を減らす、スープを飲み干さないなどの工夫が推奨される。
血圧を整えるおすすめ食品
一方で、血圧対策に有効な食品も存在する。お酒は適量であればリラックス効果が期待できる。海藻類は血圧を整える代表的な食品であり、積極的に摂りたい「緑色の野菜」も効果的だ。また、牛乳を豆乳に変えることで、脂質摂取を抑える効果が得られる。トマトジュースは「100%」のものを選ぶことが重要である。
伊勢呂氏は、高血圧対策には減塩だけでなく、総合的な食事管理が不可欠だと強調している。



