肝がん死亡率19年連続ワーストの佐賀県、脂肪肝対策で飲食店と連携する管理栄養士の取り組み
肝がん死亡率ワーストの佐賀県、脂肪肝対策で飲食店と連携

佐賀大医学部付属病院肝疾患センター(佐賀市)の管理栄養士で特任助教の原なぎささん(49)は、肝疾患の予防や啓発のため、飲食店と連携した肝臓に優しいメニューづくりに力を入れている。肝疾患の患者を減らそうと奮闘する原さんに、これまでの取り組みや今後の抱負を聞いた。(小林夏奈美)

佐賀県の肝疾患の現状

県内の肝がんによる死亡者数を人口で割った数(粗死亡率)を見ると、県内は1999年から2017年にかけて19年連続でワーストだった。25年の速報値でも9番目に悪く、全国平均を上回っている。肝がんの原因は、これまではウイルスが原因のB型肝炎やC型肝炎が多かったが、近年は脂肪肝によるものが増えている。

飲食店との連携企画

脂肪肝はカロリー摂取過多や肥満、運動不足などが原因とされ、食事の面からも改善できる。佐賀は食事がおいしく、その特長を生かして飲食店と連携できないかと考えた。22年には、県内2店舗に協力を仰ぎ、肝臓に優しいコラボメニューを期間限定で提供する企画をスタートさせた。さらに協力を得ようと飲食店を歩いて回り、今年は10店舗との連携が実現した。また、今年からSNSで活動するインフルエンサーとも連携し、若い世代にも来てもらえるよう工夫している。

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取り組みの手応えと今後の展望

この企画は各店のシェフらに趣旨を理解してもらい、関係性を作るところから始めた。そして、店のメニューの傾向を崩さないようにしながら、塩分やカロリーを計算し、おいしくてヘルシーなメニューをシェフらと一緒に考えた。その結果、昨年の企画のアンケートでは、コラボメニューを選んだ人の多くが『おいしさ』を理由に挙げた。毎年いい反応があり、やりがいを感じている。

佐賀は県や医療機関がしっかり連携し、肝疾患の予防に取り組んでいる。その連携をさらに深め、肝疾患を減らす取り組みを続けたい。飲食店とのコラボメニューの開発は、さらに仲間を増やすため、新たな発信拠点『おいし~は、ヘルシ~。さがんかんぞうラボ』を設ける計画だ。佐賀の人が普段は何を食べているのかという研究もやってみたい。おいしい食事で健康になれることを知ってもらい、『食』の面から佐賀の健康づくりをサポートしていけたらうれしい。

◆はら・なぎさ=大阪市出身。同志社女子大を卒業後、三重県の病院に管理栄養士として勤務し、仕事と両立しながら三重大大学院に進んで博士号を取得。2021年から佐賀大医学部付属病院肝疾患センターの特任助教を務める。趣味はドライブとキッチン用品集め。最近、洋食器や刃物の生産が盛んな燕三条(新潟県)の包丁を買い、「料理が楽しくなった」という。

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