近畿6府県を主会場に開催中の全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)では、厳しい暑さを乗り切るため、様々な対策が行われている。自転車では予選をなくして競技時間を短縮し、陸上では開始時刻を夕方に遅らせた。今夏、近畿は平年よりも気温の高い日が続いており、主催する全国高体連は閉幕日まで警戒を続ける。
自転車競技は予選廃止で試技回数減
自転車競技は今回、競技時間を短くするため、複数の種目で予選を取りやめて試技回数を減らした。更に、クールダウン対策として、競技会場の岸和田競輪場(大阪府岸和田市)に氷水を張った大型のクーラーボックスを設置。競技を終えた選手たちが、両腕を浸していた。
運営を担う高体連自転車競技専門部の阿部貴宏事務局長は「試技回数が減れば、物足りなさを感じる選手がいるかもしれないが、体調管理を優先した」と説明した。男子4000メートル団体追い抜きに出場した京都府立向陽の田中惣大主将(3年)は「負担が減るので、ありだと思う」と話した。
陸上は午後5時以降に開始時刻を変更
陸上は前回、競技時間を朝や夕方にしていたが、朝方も暑い日があったため、今回は気温が下がる午後5時以降に変更した。競技終了時間は最も遅い日で午後10時半だった。1日あたりの競技時間が短くなった影響で開催期間も例年より2日長い7日間になった。
女子5000メートル競歩で優勝した春日部女(埼玉県)の土志田実桜選手(3年)は「30分近く歩き続ける過酷な競技だが、暑さが苦手で、夏場はフラフラになる。今回は夜の開催だったので、競技しやすい環境だった」と振り返った。
冷涼地での開催やアイスバス設置も
夏の全国総体は、学校の授業への影響を避ける必要があるほか、主に教員が審判などの大会運営を担うため、夏休みの時期以外で行うことは難しい。夏の甲子園では、暑い時間を避けて試合を行う「2部制」をとっているが、全国総体でも暑さ対策に力を入れている。
総体は競技数が多く、会場も分散しているため、開催地の実行委員会が各競技団体と連携し、競技ごとに対策を実施している。サッカーは2024年から男女いずれも冷涼地で開催している。ローイングは昨年に続き、アイスバス(水風呂)を設置した。
高体連によると、前回の熱中症患者は選手や観客を含め計119人だったが、重症者はいなかった。今大会も重篤な事案は確認されていないという。
猛暑日が続き、観客にも対策呼びかけ
大阪管区気象台によると、大津、京都、大阪、神戸、奈良、和歌山各市では、高校総体が開幕した7月22日以降、35度を超える「猛暑日」がほぼ連日続く。弓道の会場となった和歌山県田辺市では今月2日、40・6度を観測した。今後も平年より高くなる見込み。
高体連の奈良隆専務理事は「選手たちが目標の舞台で最高のパフォーマンスができるように閉幕まで注意したい」としている。
観客も熱中症になるリスクがあり、高体連は会場の観客に対し、水分補給などの熱中症対策を取るように場内放送で呼びかけている。夏のスポーツ観戦用として、様々な暑さ対策グッズが売られている。
医療器具メーカー「日本シグマックス」(東京都新宿区)は、スポーツ観戦時の暑さ対策グッズとして首に巻くアイスバッグや、汗を吸収して自然に体を冷やすことができるアームカバーなどを販売している。スポーツの応援グッズを製作する「Ivy」(熊本市)は、冷感素材を使ったタオルやポンチョを販売している。担当者は「指導者や保護者も様々な暑熱対策グッズを使って、応援してほしい」と話している。



