「一つ屋根の下、一緒に働きたかった」京アニ事件7年 社員らが追悼
京アニ事件7年 社員らが追悼「一つ屋根の下で働きたかった」

36人が死亡、32人が重軽傷を負った京都アニメーション(京都市伏見区)の放火殺人事件から18日で7年が経過し、現場となった第1スタジオ跡地で追悼式が行われた。遺族や社員ら約140人が参列し、午前10時半ごろから始まった式典で黙祷を捧げた。

「新しい作品を心待ちに」遺族代表が語る

追悼式では遺族代表が「あなたたちの名前がエンドロールからなくなっても、つないでくれた技術で、気持ちで、こだわりで、作品の中でこれからもあなたたちに会える。だから、新しい作品を心待ちにしています」と述べ、亡くなった社員たちへの思いを伝えた。

事件後に入社した従業員は「私も皆さんと一つ屋根の下、一緒に働きたかった。アニメーションに一途だった皆さんと、心も時間も共にしたかった。そう願ってやみません」と話し、現場で命を落とした先輩社員への敬意と悲しみをにじませた。

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事件の経緯と京アニの歩み

京都アニメーションは1981年創業。「涼宮ハルヒの憂鬱」「響け!ユーフォニアム」などの名作を生み出し、国内外で高い人気を誇る。事件は2019年7月18日、青葉真司死刑囚(48)が第1スタジオに侵入し、ガソリンをまいて放火したもの。青葉死刑囚は死刑判決を受け控訴したが、2025年1月に控訴を取り下げた。弁護人はこの取り下げの無効を申し立てている。

今年2月には、事件対応に当たった八田英明社長が病気で死去。長男の真一郎氏が2月24日付で新社長に就任した。

跡地と慰霊の場

事件現場となった第1スタジオは解体され、現在は更地となっている。跡地には慰霊碑を建てる方針が決まっているが、全体の利用方法は未定だ。一方、宇治市の「お茶と宇治のまち歴史公園」には、2024年に亡くなった36人をしのぶ「志を繫ぐ碑」が建立された。36羽の鳥が羽ばたくデザインで、正面に立つと第1スタジオ跡地を向くように設置されている。

追悼式にはファンも訪れた。大阪市東淀川区から来た山田恵介さん(50)は「京アニ作品は自分の人生を豊かにしてくれた。これからもずっと愛し続けます」と語り、手を合わせた。和歌山県串本町から始発電車で来た仲立人さん(18)は「響け!ユーフォニアム」がきっかけでファンになったといい、「この後は作品の舞台となった宇治のまちを歩いて、感謝を伝えにいきたい」と話した。

「どれだけしんどい思いか」母と兄の講演

事件では、人気アニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の美術監督を務めた渡辺美希子さん(当時35)も犠牲となった。母の達子さん(76)と兄の勇さん(47)は事件後、全国各地で講演を続け、今年で50回を超えた。「どれだけしんどい思いをするかを知ってしまったので、私たちと同じ思いをする人をどうか出さないでほしい」と、事件当時の心境を語り続けている。

美希子さんは幼い頃からアニメが好きで、大学卒業後専門学校に進み、京アニに入社。アニメーターとして活躍し、事件当時はコンテンツ制作部の美術・背景室長を務めていた。達子さんは事件直後、気持ちの整理がつかず誰とも話したくなかったが、地元・滋賀県警の心理カウンセラーが心の支えになったという。

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