岸惠子さんや美輪明宏さんも…老衰は死因第3位、その実態を医師が解説
老衰は死因第3位、その実態を医師が解説

岸惠子さんや美輪明宏さんらも、がんや心臓病ではなく「老衰」でこの世を去った。実際、老衰は現在の死因の第3位に位置する。では、老衰で最期を迎える際、本人は苦しいのだろうか、それとも穏やかなのだろうか。医師がその実態を解説する。

老衰の生物学的な本質とは

立川パークスクリニック院長の久住英二氏によると、生物学的に老衰の本質を一口で言えば、「予備能の枯渇」だという。臓器はいずれも、日常の必要量をはるかに上回る能力(予備能)を持って設計されており、加齢はこの能力を少しずつ削り取っていく。

そしてある日、肺炎や転倒ではなく、ごくささやかな負荷、たとえば風邪をひくといったちょっとしたダメージが、もはや吸収されずに全身の恒常性を崩す。これが生物学的に見た老衰の姿だ。

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分子レベルの老化研究と炎症老化

分子レベルの老化については、2023年に『Cell』誌に掲載された「老化の特徴」が最も整理されていてわかりやすいとされる。この中でとりわけ重要なのが、細胞老化と慢性炎症の関係だ。

近年、分裂が止まり、本来の機能を十分に果たせないまま体内に残っている細胞は「老化細胞」と呼ばれる。老化細胞は炎症を起こすようシグナルを撒き散らし、これによって起こる慢性的で微弱な炎症は「インフラメイジング=炎症老化」と呼ばれる。

この炎症老化が、動脈硬化やサルコペニア、認知機能低下、フレイルなど、加齢に伴うほぼすべての病態の土壌となっているという。

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