44歳で子宮全摘を告げられながらも、45歳で自然妊娠による初出産を果たした女性がいる。その後、乳がんも経験し、現在51歳で11歳年上の夫と育児に奔走する日々を送っている。その軌跡と、病気や子育て、更年期についての思いを語った。
「奇跡の初出産」までの道のり
淳子さんは、子宮筋腫の影響で子宮全摘を医師から勧められた。しかし、手術を決めてから約1カ月後、病院から「手術のキャンセルが出たので、今すぐ予約できますがどうしますか?」と連絡が来た。急な出来事に心の準備が追いつかず、即答できずに一旦保留にした。
その後、夫の裕己さんに打ち明けると、裕己さんは著書の中で「この先の二人の人生も短くはないだろうし、なにより妻には長生きしてほしいと思ったので(略)決断した妻に反対する理由はなかった」と振り返っている。手術は予定通り半年後の日付でお願いすることにしたが、その約3カ月後、淳子さんは自然妊娠で息子を授かった。
妊娠中の試練と緊急帝王切開
筋腫は妊娠に大きな影響を及ぼすことはなく、お腹の子は順調に育っていた。しかし、妊娠7カ月の時におたふく風邪に罹患。ウイルスが心臓にまで達し、劇症型の心筋炎を引き起こした。妊娠28週で緊急帝王切開となり、1203gで生まれた息子はNICU(新生児集中治療室)へ、淳子さん自身はICUに入院した。
支えとなった母の言葉と現在の思い
淳子さんは、辛さや不安を誰にも言わずに抱え続けることは非常に苦しかったと振り返る。唯一の救いは、実母が明るく受け止めてくれたことだ。電話で打ち明けた際、母は「それはそれで、いいんじゃない?」と否定的な言葉を一切言わず、淳子さんの決断に寄り添ってくれた。
「考え方も、病気のケースも人それぞれですから、どうしたらいいとは、やはり簡単には言えません。すごく難しいですね。……でも、誰か一人でも信頼して話せる人がいるなら、話を聞いてもらうのはいいかもしれないですね」と淳子さんは語る。



