大阪府立病院機構が運営する大阪精神医療センター(大阪府枚方市)は今年度、認知症の進行を抑えることを目的とした専門外来「脳とこころの未来医療センター」を開設した。主に認知症になる前の軽度認知障害(MCI)の段階にある人を対象とし、運動指導や脳を鍛えるトレーニングなどを実施する。
専門外来の概要と診断プロセス
同センターの外来では、診察や血液検査、認知機能検査などを計3日かけて実施。検査結果をもとに専門医が認知症の前段階にあたる軽度認知障害(MCI)かどうかなどを判断する。MCIは、物忘れや軽度のうつ、意欲低下といった症状が現れるが、日常生活には大きな支障がない状態を指す。
デイケアでのプログラム内容
診断がつくと、同センターに設置したデイケアへの参加を促す。医師や看護師、理学療法士、作業療法士らが関わり、一つ一つのひらがなを組み合わせて単語を作る言語トレーニングや体を動かす運動療法など、認知機能と運動機能を高めるプログラムを提供する。
開設後の利用状況と今後の見通し
同センターは今年4月に開設された。6月のデイケアの利用者は延べ35人で、今後も増える見通しだという。池田学・同センター長は「専門医が毎日、初診の患者を診る体制を整えた。デイケアの内容をさらに充実させ、健康寿命の延伸につなげたい」と話している。
全国的な認知症・MCIの現状と対策の重要性
全国の65歳以上の認知症患者は2022年時点の推計で443万人、MCIは559万人。2040年には、それぞれ584万人、613万人に増えると予想されている。MCIの段階で適切に対処すれば認知症への移行を防いだり遅らせたりできるとされ、医療機関では、こうした人たちへの診療に力を注ぐ動きが出ている。



