「多くの哺乳類が肛門で息をすることができることの発見」で2024年のイグ・ノーベル賞生理学賞を受賞した研究が、昨年秋に成人男性27人を対象とした臨床試験を実施し、苦痛が少ないことや安全性が確認された。今年末からは次の段階の試験に進む予定だ。
笑いの先に「何かを考えさせる」イグ・ノーベル賞
思わず笑ってしまう奇想天外な科学研究に贈られるイグ・ノーベル賞は、創設から35年を迎えた。この賞のポイントは、笑った後に「何かを考えさせる」部分にある。受賞研究には、それぞれに物語がある。
研究を率いた大阪大・東京科学大教授の武部貴則さん(39)は、授賞の理由について「面白くつけるなあ」と感心したという。2021年に発表した論文の表題は「哺乳類における経腸換気は呼吸不全を軽減する」で、そこに笑いの要素はない。
受賞打診に「辞退しようかな」
受賞の打診を受けた際、武部さんは「最初は、辞退しようかなと」思ったという。それも当然で、この研究は肺の機能を補うことを目的とした真面目な医学研究だったからだ。
「コスパ・タイパの時代」と呼ばれる効率重視の風潮の中で、武部さんはこの研究を通じて「飛ぶ勇気」をもらったと語る。奇想天外に見える研究が、実際には医療に役立つ可能性を秘めていることを示した。



