がん研究会がん研有明病院(東京都江東区)の胃がん手術の5年生存率は93%に達し、全国でもトップクラスの成績を誇る。その実力の背景には、徹底したデータ管理とチーム医療の体制がある。
高い生存率を支える技術とデータ
同院の胃がん手術は、年間約600件行われ、うち約8割が腹腔鏡手術だ。手術の成績を支えるのは、術前の詳細な画像診断と、術中に確認した所見をすべて記録するデータベースである。このデータベースは、過去の症例と照合しながら、個々の患者に最適な手術方針を決めるために活用されている。
がん研有明病院の胃がん手術の5年生存率は93%。これは、日本がん治療学会のデータに基づくもので、全国の主要病院の中でも際立った数字である。
チーム医療と術後ケアの徹底
手術の成功は、執刀医の技術だけではない。同院では、外科医、麻酔科医、看護師、薬剤師、栄養士らがチームを組み、術前から術後まで一貫して患者を支える体制を取っている。特に、術後の回復を早めるための「術後回復強化プログラム」を導入し、合併症の予防と在院日数の短縮に努めている。
また、患者一人ひとりに合わせた栄養管理やリハビリテーションも徹底されており、術後の生活の質の維持にも力を入れている。
今後の課題と展望
こうした取り組みの一方で、同院は手術件数の増加に伴う医師の負担軽減や、高齢化に伴う併存疾患を持つ患者への対応など、新たな課題にも直面している。今後は、ロボット支援手術の導入拡大や、AIを活用した手術支援システムの開発にも力を入れていく方針だ。
がん研有明病院は、これからも高い技術力とチーム医療を磨きながら、胃がん患者の生存率と生活の質の向上を目指していく。



