キャンプ(東京都渋谷区)は、ノーブラ状態で素肌の上に直で着て、そのまま1枚で外出できるブラレスウェアブランド「no-bu(ノーブ)」を展開している。ブラジャーとキャミソールが一体となった「ブラトップ」は、1枚で外出するのがはばかられる上、ゴムによる締め付け感があるのが課題だった。
6割以上の女性がブラに不快感
同社の調査では、6割以上の女性が「普段着用しているブラジャーに対して不快感を感じる」と回答。ブラレスウェアは普段着だけでなく、防災用としての需要も高まっている。
no-buのブラレスウェアを開発した榊原美歩CEOと鈴木愛子COOは、下着メーカーなどで働いた経験はなかった。2023年、新たなビジネスのヒントを探して2人でフィンランドへ旅行。現地のサウナで女性たちがノーブラで歩く姿を見て「自由ですてきだな」(鈴木さん)と感じた。
「下着ではなく洋服として」開発
帰国後、榊原さんは銭湯で「せっかくリラックスできたから、このまま下着をつけずに帰れたらいいな」と思い、「日本ではブラをつけないという選択がしづらく、それが女性の自由や快適さに少なからず影響を与えているのではないか」と感じた。2人は「下着ではなく洋服として1枚で快適に着られるものをつくろう」と開発を始めた。
同社が2025年7月に全国の30~50代の働く女性300人を対象に実施した調査では、「普段着用しているブラジャーに対して、締め付けや痛みなどの不快感・不満を感じることはある」と約63%が回答。約69%が「『ブラから解放されたい』と感じたことがある」と答えた。
グッドデザイン賞を受賞
no-buのブラレスウェアは、服の内側の胸の部分にやわらかいパッドがついており、ゴムやワイヤーによる締め付けがない構造。パッドの位置が固定されているものと、ソフトマジックテープで高さを調整できるものがある。パッドの裏側の細かい凹凸で、バストトップが目立たないよう工夫されている。
2025年にグッドデザイン賞を受賞。着用した女性からは「締め付けがなく、動きやすい」「リモートワークの日に楽に着られ、外出もそのままできるのがうれしい」といった声が寄せられている。榊原さんは「『女性は下着を付けなければならない』という固定概念が特に強い東アジアを中心に、販路拡大を目指している」と語った。
防災用としても注目
「防災用にいいですね」。ユーザーからこんな声も届いた。福島県いわき市出身の鈴木さんは、家族や友人が東日本大震災で被災し、当時の状況を聞くと「避難所でブラを外すことに抵抗があり、つけたまま寝るのが大変だった」との話が出た。災害時の意思決定の場には男性が多い傾向があるという。
キャンプは2025年9月1日「防災の日」に福島県矢吹町とともに、非常時に女性が安心して過ごせる衣服のあり方や備えについて考えるイベントを実施。「下着の替えがない」「避難所での着替えに困る」などの課題が見えてきた。榊原さんと鈴木さんは同町の「女性防災アドバイザー」に就任し、no-buのブラレスウェア100着を寄贈した。鈴木さんは「他の自治体とも、女性の視点からの防災について考える活動を広げていきたい」と話した。



