おでんのだしを飲む習慣がある人は注意が必要だ。練り物に含まれる無機リンが腎臓に負担をかける可能性があると、内科医の工藤孝文氏が警鐘を鳴らす。工藤氏が監修した『「腎臓にいいこと」、ぜんぶ集めました。』(青春出版社)から、加工肉や練り物に潜むリスクを紹介する。
加工肉に潜む無機リンのリスク
ハムやソーセージ、ベーコンなどの加工肉は、塩分や脂肪分が多いことで知られるが、腎臓の健康を考えると、食品添加物由来の無機リンが特に問題となる。工藤氏によると、食品に含まれるリンを摂り過ぎると腎臓の機能が低下し、全身に悪影響を及ぼす。一般的な食品に含まれる有機リンと異なり、無機リンは体内に吸収されやすい性質を持つ。
日本人の1日のリン摂取量の基準は、男性が1000mg、女性が800mgであるのに対し、加工肉には100gあたり200~300mgのリンが含まれている。工藤氏は「ときどき少し口にするなら問題ないが、たびたび大量に食べると吸収率の高い無機リンの摂り過ぎになる」と指摘する。
「無塩せき」表示の落とし穴
加工肉を購入する際、無機リンを避けるために「無塩せき」と表示された商品を選ぶ人がいるかもしれない。しかし、工藤氏は「無塩せきは無添加を意味しない」と注意を促す。無塩せきは、肉の色を鮮やかにする発色剤(亜硝酸ナトリウムや硝酸カリウム)を使用していないことを示すだけで、リン酸塩の添加を防ぐものではない。無機リンの摂取を抑えたいなら、食品表示欄を細かく確認する必要がある。
ちくわの問題点と対策
おでんの具材として人気のちくわなどの練り物にも、無機リンが多く含まれている。工藤氏は「血液サラサラ効果が期待できるが、だしに溶け出したリンを摂取しないよう、だしは飲まないほうがいい」と助言する。また、食べる前には下ゆでをすることで、リンをある程度除去できるという。
腎臓を守るためには、加工肉や練り物の摂取を控えめにし、どうしても食べる場合は表示を確認し、調理法に工夫を凝らすことが重要だ。工藤氏は「ほどほどにすることが肝心」と強調する。



