スマホ使用1時間超で学力低下のリスク
東北大学加齢医学研究所教授の川島隆太氏は、スマートフォンやタブレットの長時間使用が子どもの脳に深刻な悪影響を及ぼし、全教科の学力を急落させる可能性があると警告している。川島氏の著書『脳を休める!』(扶桑社新書)によれば、スマホの使用時間が1日1時間を超えると、注意能力や言語能力の低下が確認され、学力テストの成績も顕著に低下するという。
脳を疲れさせる3大悪習慣
川島氏の研究チームは、現代人の脳を疲れに気づきにくくする行為として、テレビ・動画視聴、ゲーム、スマホ・タブレットの使用の3つを特定した。これらは前頭前野を不活性化させ、脳の司令塔としての機能を低下させる。特にスマホは使用時間が長くなりやすく、脳へのダメージが蓄積しやすいと指摘する。
テレビ視聴も学力に悪影響
テレビを長時間視聴する子どもは、大脳皮質の多くの領域で発達が遅れ、すべての教科で学力が低くなることが明らかになった。川島氏は「1日トータルで1時間以内であれば比較的安心」と述べる。また、映像授業でも前頭前野は不活性化するため、学習効果を期待するには難しいとしている。
ゲームが脳に与える影響
ゲームも同様に前頭前野の活動を抑制する。ゲームをやめた後も脳の鈍化状態が続くことが研究で示されており、特に長時間のゲームプレイは注意欠如や衝動性を高める可能性がある。川島氏は「脳トレ」として前頭前野を積極的に働かせるゲームの有用性も認めているが、一般的なゲームの過剰使用には警鐘を鳴らす。
安全圏内の子どもは10%未満
川島氏の調査では、スマホやタブレットの使用時間が1日1時間未満の「安全圏内」の子どもは全体の10%未満にとどまる。多くの子どもが既に危険ゾーンにあり、脳の発達や学力に深刻な影響が出始めている可能性がある。同氏は「スマホは便利だが、使い方を誤ると子どもの未来を損なう」と強調する。
脳を休めるための対策
川島氏は、脳を適切に休ませるために、テレビやスマホの使用時間を制限し、読書や対面での会話、外遊びなど前頭前野を活性化する活動を推奨する。特に就寝前のスマホ使用は睡眠の質を低下させ、脳の回復を妨げるため避けるべきだと述べている。



