秋の味覚で血糖値スパイクや体重増加も…医師が教える太りにくい調理のコツ
秋の味覚で血糖値スパイクや体重増加も…医師が教える太りにくい調理のコツ

「食欲の秋」を彩るサツマイモや栗、かぼちゃ。ホクホクしておいしい秋の味覚ですが、食べ方や調理法によっては、食後の急な血糖値の上昇、いわゆる「血糖値スパイク」を引き起こしたり、太ることにつながったりすることもあります。秋の味覚に潜む落とし穴と、太りにくい調理のコツについて、クリニックフォアの内科医・渥美義大先生に聞きました。

サツマイモや栗は糖質の貯蔵庫

サツマイモや栗などの秋の味覚は、他の季節の食材と比べても太りやすいのでしょうか。渥美先生は「植物が冬を越し、発芽するためにデンプンを蓄えた貯蔵庫」と説明し、同じグラム数を食べた時に含まれる糖質の割合が高く、糖質が詰まった食材だと指摘します。さらに、栗を甘く煮たりケーキにしたり、サツマイモにバターを塗ったりスイートポテトにしたりと、砂糖を追加してスイーツとして調理される機会も非常に多いため、糖質の摂取量が多くなり、血糖値が上がったり太りやすくなったりする季節と言えます。

そもそも「血糖値が上がる」とはどういうことなのでしょうか。渥美先生は、人間の血糖値は体温と同じように考えるとわかりやすいと説明します。体温がだいたい36度台で一定に保たれているのと同じように、血糖値も空腹時から食後まで、概ね70〜140mg/dl程度の数値に保たれるよう体の中で緻密に管理されています。しかし糖質の多い食品や、吸収されやすいジュースのようなものを一気に摂ると、血糖値が急激に跳ね上がることがあり、これが「血糖値スパイク」と呼ばれる現象です。

血糖値スパイクが太る仕組み

血糖値スパイクが起きると太ることに直結するのでしょうか。急激に上がった血糖値を下げようとして、膵臓からはインスリンというホルモンが分泌されます。このインスリンは、血液中の糖分を細胞に取り込ませる一方、余ったエネルギーを脂肪として蓄える働きをします。つまり、血糖値が大きく上がるほど糖分をたくさん摂る状態が続くと、その糖分が脂肪として蓄積され、結果として太ることにつながっていくというメカニズムです。

同じサツマイモでも、調理法によって太りやすさは変わるのでしょうか。渥美先生によると、サツマイモは時間をかけて加熱すると中のでんぷんが糖化して甘くおいしくなります。焼き芋のようにゆっくり火を入れて水分を抜いていく調理法だと、同じ重量あたりの糖質量も多くなり、食後血糖値の上がりやすさの傾向を示すGI値が高かったという報告もあるそうです。

太りにくい調理法と食事のリズム

太りにくい調理法として、渥美先生は「切った状態で茹でたり蒸したりして迅速に火を通す調理法の方が、水分も残りやすく血糖値は上がりにくい」とアドバイス。また、加熱した後に一度冷ましてから食べると、一部のでんぷんが消化されにくいものに変化し、吸収が緩やかになる可能性があるとしています。

食べる時間帯や生活リズムで気をつけるべきポイントについては、夜遅い時間は日中に比べて食後血糖値が上がりやすいことが知られています。夜遅い夕食や夜食は、血糖値が上がりやすく体重管理の観点からも避けるべきで、日中のおやつに食べ、その後に少し体を動かすことで血糖値の上昇を抑えることができます。また、朝ごはんを抜くとお昼以降に食事を摂った際の血糖値が上がりやすくなることがあるため、朝昼晩と一定のリズムで食事を摂ることが血糖値スパイクを防ぐためにも大切だとしています。

血糖値スパイクを気にせず繰り返していると、将来的な病気のリスクもあるのでしょうか。糖質を多く摂る生活が続くと、インスリンが効きにくくなったり、膵臓から十分なインスリンを分泌できなくなったりして、糖尿病の発症につながることがあります。さらに、繰り返す血糖値スパイクは血管にダメージを与え、動脈硬化を進行させる一因になる可能性も言われています。健康面から見ても、血糖値スパイクを起こさないような食べ方を意識することはメリットがあると言えるでしょう。