自民党の村上誠一郎前総務相が、SNSによる民意の歪みや党内の「正論」の衰退に警鐘を鳴らした。村上氏はインタビューで、一部の扇動がSNSを通じて広がることで民意が歪められかねないと懸念を示し、国会議員がそうした風潮に逆らおうとしない現状を批判した。
「国力研究会」の設立に疑問
村上氏は5月に発足した「国力研究会」について、日本が危機にある中で財政や金融、外交といった喫緊の課題を解決すべきであり、大政翼賛会のようなものをつくる暇はないと指摘。官僚やオールドメディアがもっと正論を言うべきだと主張した。
少子化が続き人口減少が止まらなければ、財政が危機に陥り地方が崩壊すると警告。にもかかわらず、地方の財源である消費税が減税されようとしていると問題視した。
ガソリン補助金と農業の危機
ガソリン価格高騰に対して、政府が省エネを呼びかけ使用を控えるべきところ、15兆円もの補助金を投入したと批判。脱炭素社会への転換の機会を失ったと述べた。また、日本の農業は石油なしでは成立せず、このままでは食料自給率が1桁に落ちる可能性があると危惧した。
村上氏は、財源を考えずに財政ポピュリズムを続けることは日本の危機であると強調。実情を知る国会議員や省庁がもっと周知すべきだと訴えた。
オールドメディアの役割
昔の官僚は気骨があり、自身の伯父である村上孝太郎元大蔵省官房長が佐藤栄作首相に財政硬直化キャンペーンを訴えた例を挙げ、現在の官僚は意見を言う意欲を喪失していると指摘。
改善の役割を担うのは「オールドメディア」であるとし、取材力でエビデンスを把握しファクトチェックを行うべきだと主張。萎縮せず偽情報には偽情報だと述べ、民主主義のために戦う必要があると語った。
村上氏は、自民党で「おかしいことはおかしい」と声を上げるのは岩屋毅氏や自身などごく少数になったと嘆きつつ、日本の将来のために声を上げ続ける決意を示した。



