SNSの政治的悪用が選挙に影響を与える昨今、自民党の村上誠一郎前総務相が「正論」の衰退と憂国の思いを語った。村上氏は、インターネットが「本当に多数の意見」か不明なまま世論を形成し、政治を動かす危険性を指摘する。
フェイクニュースで落選した岡田克也氏
昨年11月の衆議院予算委員会で、立憲民主党(当時)の岡田克也元副総理が高市早苗首相から「台湾有事発言」を引き出した後、フェイクニュースを含む執拗なネット攻撃にさらされ、落選した。村上氏は「まさか(選挙の強さに定評がある)岡田氏が落ちて、私が当選することになるとは思わなかった」と驚きを隠さない。
選挙における人格攻撃はもってのほか
村上氏自身も2023年に党本部と「関係者との調整を図り、当選を果たせるよう、最大限の努力を行う」との覚書を交わして比例区に転じたが、当選困難とみられた順位に置かれた。村上氏は「選挙は民主主義の根幹であり、デマやフェイクニュースを利用した落選運動などあってはならない。人格攻撃などもってのほかだ」と強調する。
ネット社会の危険性
インターネットは本来、円滑なコミュニケーションを可能にし、民主主義の形成にもつながる有益なツールだが、使い方を間違えれば「刃物」のように人を傷つけ、社会に混乱をもたらす。実際、24年11月の兵庫県知事選では外国人参政権に関するデマが流れ、選挙結果に影響を与えたとみられる。また、知事の問題を追及した県議が誹謗中傷で辞職を余儀なくされ、その後も追い詰められて悲しい結果となった。
村上氏は「強い意思表示」がネット社会を駆け巡り、あたかも「主流」であるかのように装っている懸念を表明。自民党内から「正論」が消えた背景には、こうしたネットの影響力と、それに迎合する政治姿勢があると示唆する。



