トランプ氏、敗北なら選挙結果承認差し止め訴訟を司法省に指示
トランプ氏、敗北なら選挙結果承認差し止め訴訟を指示

ドナルド・トランプ米大統領は23日、中間選挙のアラスカ州連邦議会上院選で共和党現職のダン・サリバン氏が敗北した場合、州による選挙結果の承認を差し止めるための訴訟を提起するよう司法省に指示したと明らかにした。11月3日の中間選挙では、共和党が上下両院で多数派を維持できるかが焦点となっている。

異例の介入と背景

トランプ氏はフロリダ州を訪問中、「『やれ』と言ったのは私だ」と述べた。大統領が、起こり得る選挙結果に対して先手を打って異議を申し立てるよう介入するのは異例で、中間選挙に新たな影を落としている。

トランプ氏は2020年大統領選で民主党のジョー・バイデン前大統領に敗れた後、選挙結果を覆そうとした。今回も、民主党が大幅に議席を伸ばすと予測されている中間選挙の正当性に繰り返し疑問を呈している。

アラスカ州の接戦

広く予想されている通りに民主党が連邦下院で過半数を奪取すれば、2期目の政権を発足させて以来、前例のない形で権力を行使してきたトランプ氏に対し、初めて実質的な歯止めをかけられるようになる。

民主党が上院を奪還する可能性もあるが、下院よりも難しい。共和党から差し引き4議席を奪う必要があり、その鍵を握る州の一つが、共和党現職のサリバン氏と民主党のメアリー・ペルトラ氏が接戦を繰り広げているアラスカ州だ。ペルトラ氏はX(旧ツイッター)への投稿で、今回の訴訟を「腐敗行為」だと非難した。

司法省の訴訟と反応

司法省が22日に起こした訴訟では、アラスカ州の投票用紙に、ダン・サリバン氏という同姓同名の新人候補が記載されているのは、有権者を混乱させ、共和党現職の当選可能性を下げる意図的な策略の一環だと主張している。訴状は「新人のサリバン氏は、現職のサリバン氏の得票数を減らし、ペルトラ陣営を利するためだけに立候補した」としている。

民主党側と、共和党員として登録している新人のサリバン氏本人は、司法省の主張を否定している。訴訟では、現職のサリバン氏が敗北し、ペルトラ氏との得票差が新人のサリバン氏の得票数を下回っている場合、調査が終わるまで選挙結果を承認しないよう求めている。

ホワイトハウスと司法省が政治的な距離を保つというワシントンの慣例を繰り返し破ってきたトッド・ブランチ司法長官は22日、司法省は中間選挙への介入を準備していないと主張する一方、「どのような状況でも絶対にそうしたことはしない、と言うつもりはもちろんない」と述べ、「破滅的な事態」に介入する可能性を排除しなかった。

民主党は、トランプ政権が州の管轄する選挙への連邦政府の統制を強めようとし、選挙結果の公正さに繰り返し疑問を投げ掛けることで、中間選挙を共和党に有利な方向へ誘導する方法を模索していると非難している。2024年大統領選では、トランプ氏が13ポイント差をつけてアラスカ州を制した。だが、共和党やトランプ氏に対する不満が全米で高まる中、アラスカ先住民で元部族裁判所判事のペルトラ氏が善戦している。