衆院予算委員会は13日、高市早苗首相と全閣僚が出席し、基本的質疑を実施した。最初の質問者である自民党の田村憲久元厚生労働相は、簗和生農林水産相の衆院選を巡る道路予算削減発言について「言う必要はない」と苦言を呈した。簗氏は改めて謝罪した。
「選挙に負けた地域だからといって削減はあり得ない」
田村氏は「国会では残念な議論がなされている」として、簗氏の発言を取り上げた。発言について「国会議員はいろいろなところに視察に行って、地域で予算をつけてほしいという要望を聞く。重要だなと思えば政治家は予算をつけるために努力する。これは当然だ。選挙に負けた地域だから首長が応援してくれなかったからといって予算を削減するということを政治家がするということは信じられない。あり得ない話だ」と述べ、簗氏に経緯をただした。
簗氏は「道路予算について地元から問い合わせがあり、それについて国土交通省に問い合わせた。説明の結果を地元の党の支部の総会の懇親会の場で報告した」と説明した。「予算の減額を求めたという事実は一切ない」と改めて述べ、「そうであるにもかかわらず、私が影響を及ぼしたかのような発言をしてしまったことに対しては、発言を撤回して関係者におわびを申し上げた。改めて私の不徳を恥じ、関係者や国民、地元、多くの皆さまに心からおわびを申し上げる」と陳謝した。
「減額を求めたことはない」と明言
経緯については、「該当する(栃木県の)那須烏山市か那珂川町の人からの問い合わせだと思っている。率直に、記録、記憶も持ち合わせていないので、明確には答えられないが、こうした事業はどういった形で進むのかという趣旨の問い合わせ。それに対して予算の配分状況を問い合わせたと認識している」と語った。
大田原市での会合で那須烏山市と那珂川町についてわざわざ言及した理由に関しては、「大田原市での事業について話すつもりだったが、2市町の話を引き合いに出したことについては改めて不適切だったと思っている」として、「改めて撤回して不適切だったと真摯(しんし)に受け止めてお詫びを申し上げたい」と述べた。
田村氏は「大田原市は他の地域が減って自分のところが増えて喜ばない。そんなことを言う必要はなにもない。それは他の自治体には伝わってくる。そうしたらどう思うか。非常に不信感を持たれていると思う。しっかり反省してもらわないといけない」と述べ、他に同様の発言や、予算削減への働きかけがなかったか尋ねた。簗氏は「減額を求めたことはない」と明言した。
シャトルバスは「会場費」と説明
さらに田村氏は、2024年と26年の衆院選で簗氏側が手配したシャトルバスで支援者を無料送迎したとする週刊誌報道についても簗氏に質問した。記事の中では、公選法違反の疑いがあるとの有識者の指摘もあった。
簗氏は「会場の敷地の駐車スペースを超えて、来場する人もあり得るということを想定して、別途、臨時駐車場を用意した。会場の駐車数を超えて来場した人にはそちらで駐車してもらい、シャトルバスで移動してもらった。地域がら、公共交通機関もなく、お年を召された人やつえをついて歩行する人も多くいる。寒い夜の中、移動してもらうことは大変負担になることも想定されたので、人道上の観点もあってシャトルバスを用意した」と説明した。
その上で、「開催場所には来てくれた人なので、そこまで運ぶことに対して何かをしたということはない。会場費として会場運営上不可欠なものという認識だ。利益供与や寄付を行ったということでは一切ない。法令にのっとり適切に対処している」と述べた。スタッフが事前に選挙管理委員会に問い合わせたうえで会場費の一部として計上したと明らかにした。
田村氏は「いろんな疑念があるから、こういう問題もですね、報道ベースに乗ってくる」と指摘。「丁寧に説明を続け、そして仕事をする中で、国民の皆さんに理解をもらわなければ、高市内閣は大変なことになる。それぐらい重い案件だということを認識をし、これからの立ち居振る舞いに気を付けて職務を頑張ってほしい」とくぎを刺した。