ネタニヤフ氏、右派小政党に撤退促す「票割れ」懸念、総選挙27日に迫る
ネタニヤフ氏、右派小政党に撤退促す「票割れ」懸念

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は27日に迫った総選挙を前に、票割れを懸念し、右派の小政党に選挙戦からの撤退を働き掛けている。

世論調査では、ネタニヤフ氏率いる右派の与党陣営と、最大のライバルである軍の元参謀総長で、中道右派政党「ヤシャル」の党首を務めるガディ・アイゼンコット氏を中心とする中道右派の野党陣営が接戦を繰り広げている。

極右政党「イスラエルの民」に撤退要求

ネタニヤフ氏が撤退を求めているのは、退役准将オフェル・ウィンテル氏が立ち上げた新たな極右政党「イスラエルの民(アムハ・イスラエル)」などだ。

イスラエルの総選挙には、政党が国会で議席を獲得するには得票率3.25%以上が必要という阻止条項があるが、イスラエルの民の支持率はそのボーダーライン付近で推移している。イスラエルの民の得票率が3.25%に届かなければ、右派の数万票が議席獲得につながらず、死票になる。

ネタニヤフ氏は22日、ウィンテル氏が笑顔で票を燃やしている場面を描いた画像をX(旧ツイッター)に投稿した。画像には、ボーダーラインに達しない政党に投票すれば、野党陣営が政権を獲得することになると警告する文言が添えられていた。

連立パートナーも圧力強める

ネタニヤフ氏と、連立政権の主要パートナーで極右政党「宗教シオニズム」を率いるベツァレル・スモトリッチ財務相はここ数日、ウィンテル氏が与党陣営の勝利を危うくしていると非難し、選挙戦から撤退するよう働き掛けてきた。

ネタニヤフ、スモトリッチ両氏は20日、ウィンテル氏の精神的指導者であるラビ(ユダヤ教指導者)のエリ・サダン師と面会した。ウィンテル氏に対する圧力をさらに強める狙いがあったとみられる。翌21日には、スモトリッチ氏が公の場で、ウィンテル氏が選挙戦から撤退すれば、見返りとして次期政権の閣僚ポストを与えると提案した。

ウィンテル氏は当初、ユダヤ教超正統派の徴兵を進めることを条件に、将来のネタニヤフ氏率いる連立政権を支持すると表明していた。軍が兵員不足に苦しんでいるにもかかわらず、ユダヤ教超正統派の男性の大半が引き続き兵役義務を免除されていることから、この問題をめぐる対立はますます激しくなっている。

別の超正統派政党にも撤退要請

だが、ウィンテル氏は撤退要求に応じていない。21日には、将来のネタニヤフ氏率いる連立政権への条件付き支持を事前に表明したのは「間違っていたかもしれない」と述べる一方、アイゼンコット氏は支持しないと明言した。

報道によると、ネタニヤフ氏は、モティ・ライトナー氏が設立した新たな超正統派政党にも撤退を求めている。同党は、ネタニヤフ氏と協力関係にある既存の超正統派2政党に対抗することを目指している。イスラエルのメディアによると、ネタニヤフ氏は20日にライトナー氏と面会し、選挙戦から撤退するよう促したが、拒否された。

ライトナー氏率いる超正統派政党の支持率は議席獲得に必要な3.25%を大きく下回っているが、ネタニヤフ氏と協力関係にある超正統派2政党から数万票を奪う可能性がある。

今週、別の小政党が選挙戦から撤退した。ベニー・ガンツ氏は、自身が率いる「青と白」の支持率が世論調査で一貫して3.25%を大きく下回っていることを受け、総選挙から撤退すると発表した。