政府は物価高を踏まえ、中小企業が適切な価格転嫁を進めるための対策を強化する。自治体が民間企業に発注する「官公需」取引で適正な価格を設定するよう自治体を個別に指導し、財政措置も活用する。民間取引では、中小企業の利益を圧迫する商慣習が残る15業種を特定し、業界団体と連携して是正に取り組む。
官公需の価格転嫁率は48.4%に低下
10日に開かれる関係省庁作業部会で、佐藤啓官房副長官がこうした対策を指示する。中小企業の利益を確保し、賃上げしやすい環境を整える狙いがある。
中小企業庁が6月に公表した調査結果によると、エネルギーや原材料などのコスト上昇分を価格にどれだけ反映できたかを示す「価格転嫁率」は、官公需で48.4%にとどまり、昨年9月の調査から3.7ポイント下落した。民間取引を含む全体の転嫁率は0.7ポイント増の54.2%で、官公需が押し下げ要因となっている。
自治体への個別指導と地方財政措置の活用
作業部会では、総務省に対し、価格転嫁が低調な自治体を個別に改善指導するよう求める。国や都道府県に比べて小規模な市区町村の転嫁率が特に低いことから、地方財政措置の活用も促す。価格転嫁に取り組んでいる自治体への地方交付税の増額が念頭にある。
民間取引で15業種の商慣習是正へ
民間取引では、一方的な減額や納期変更、在庫保管の強要など価格転嫁を阻む商慣習の是正を目指す。食品製造や繊維、建材・住宅設備など15業種の所管省庁に対し、業界団体が達成すべき具体的な目標設定を含めた対応方針を来年春までにまとめるよう指示する。



