概算要求が過去最大143兆円、予算膨張で財政懸念の声
概算要求が過去最大143兆円、予算膨張で財政懸念

2027年度の予算編成に向けて、各省庁が求めた概算要求額の合計が143兆656億円となり、過去最大を記録した。前年度予算の要求額を20兆円以上上回る規模で、国の財政を心配する声が上がっている。

概算要求とは何か

概算要求は、外務省や国土交通省などの中央省庁が、財務省に対して「来年度の予算では、この事業にこれだけのお金が必要です」と求める作業のこと。2027年度予算の編成に向けて、財務省が4日に発表した各省庁の概算要求額の合計は143兆656億円で、26年度予算の要求額を20兆円以上も上回って過去最大になった。

高市首相がシーリング撤廃

今回、金額が大きく増えた理由には、高市首相が予算の作り方を大きく変えたことが影響している。日本経済が勢いよく成長した1960年代以降の政権は、各省庁の要求額に上限(シーリング)を設け、経済の成長にあわせて膨れあがった要求額を抑える狙いがあった。

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しかし、高市首相は「これまでのやり方では、重要な施策に十分なお金が回らない」と考え、AI(人工知能)や半導体といった成長が見込める産業への国の投資については、概算要求で上限を撤廃した。予算作りを担当する片山財務相も「もはやシーリングと呼ぶべきものはない」と宣言した。その結果、各省庁が成長への投資として要求した金額は合計で12兆円を超えた。

補正予算の見直しも影響

また、「当初予算」と呼ばれる1年分の予算を決めた後に、必要になったお金を確保するために作る「補正予算」を原則やめる方針を決めたことも影響している。補正は本来、災害など緊急事態に対応するために作ることを想定しているが、最近は経済対策の色合いが強くなって当初との違いがなくなってきている。これからは、当初の段階から必要となる予算を時間をかけて考えようとしている。

財政への懸念

概算要求はあくまで要求であり、最終的に政府が年末に固める予算案では金額が減らされたり、要求自体が認められなかったりすることもある。ただ、概算要求が過去最大になったことで、予算も膨らむことが意識され、国の財政を心配する声が上がっている。国の予算は税金などで集めたお金だけでは足りずに、年30兆円以上も新たに国債を発行している状態だ。

国債の発行は事実上の「借金」だから利息を払う必要がある。金利が上昇していて国が支払う利息も増えているので、無駄づかいをなくすことがこれまで以上に求められる。

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