改正皇室典範、男系男子の養子解禁に識者が「時代錯誤」と指摘
改正皇室典範、男系男子の養子解禁に識者が「時代錯誤」と指摘

国会で7月に成立し、公布された改正皇室典範が10月24日に施行される。皇族数の確保策の一つとして、旧宮家の男系男子を皇族の養子に迎える制度が導入されるが、憲法研究者の若尾典子・元佛教大教授は「皇室という家優先の都合で、時代錯誤」と問題点を指摘する。

養子導入の課題とは

若尾氏は、なぜ養子導入に課題を感じたのかについて、次のように語る。

「1889(明治22)年裁定の旧皇室典範でも、戦後の1947(昭和22)年公布・施行の現皇室典範でも、養子は禁止されてきました。今回、限定的ながら養子を解禁する大きな変化なのに、なぜこれまで養子が禁止され、今回解禁されるのかといった根本的な問題が十分に議論されたとは言えないからです」

養子が禁止されてきた理由

養子が禁止されてきた理由について、若尾氏は「旧典範で禁止されたのは『宗系の紊乱(びんらん)』、つまり養子により皇位継承順位や皇統の正統性に争いが生じる原因になるからという理由でした」と説明する。

「皇族が養子をすることは、権力争いになりかねない重大な問題とみなされたのです。伝統的には養子は行われてきましたが、天皇主権の体制として、これを断ち切りました。旧典範は、大日本帝国憲法と並び立つ特別な法令だったのです。養子禁止規定は、戦後の現皇室典範にもありますが、旧典範とは異なり、禁止対象に皇族だけでなく、天皇も加えました」

天皇を対象に加えた意味については、旧典範で天皇は皇室とい…(以下は有料記事のため、続きは有料会員限定となる)