初代厚生労働相を務めた坂口力氏が死去した。編集委員が当時を振り返り、その人柄と政策への姿勢を紹介する。
厚労相時代の思い出
2000年代初めに厚生労働省を担当していた頃、当時厚労相だった坂口力さんからよく話を聞かせてもらった。坂口さんが講演などで各地に向かう道中に、ということも結構あった。
進行中の政策の話、大きな出来事の後日談、1972年に衆院議員に初当選した頃の昔話――。話題は豊富で、幅広かった。
「タケノコ医者」の逸話
あるとき、若手医師時代の経験などをつづった著書「タケノコ医者」の話になった。流れでふと「お医者さんの仕事を離れて長いですが、具合が悪そうな人が今目の前にいたらどうしますか?」と尋ねた。すると坂口さんはいたずらっぽく笑って、「そら、急いでお医者さんを探しに行く」。ちゃめっけのある人だった。
政策への関心と私案
2001年の省庁再編で誕生した厚労省の初代大臣を務め、04年9月まで長きにわたって在任。その期間中には医療や年金の大きな制度見直しもあった。坂口さんの政策への関心は高く、役所の案が出てくる前に、胸ポケットに自らの「私案」や「試案」があると明かしたこともあった。
四半世紀前から「男性の働き方を変えないと」と、少子化が進むことへの強い懸念を示していた。



