西宮市長選、現職の石井氏が僅差で3選を果たす
2026年3月29日に投開票が行われた兵庫県西宮市長選挙は、激戦の末に現職の石井登志郎氏(54)が3選を達成した。自民党と日本維新の会が推薦する前自民市議の田中正剛氏(50)を655票差で振り切り、接戦を制した形となった。
投票率は前回を下回り、現職が辛勝
今回の選挙戦は22日に告示され、無所属で立候補した石井氏、田中氏、そして西宮市肢体不自由児者父母の会会長の畑本秀希氏(59)の3者が争った。投票率は39.63%で、前回の41.28%を下回った。投票者総数は15万5291人であった。
勝利を収めた石井氏は支持者と万歳三唱を行い、「首の皮一枚で3期目の信託をいただいた」と感慨深げに語った。一方、敗北が確実となった田中氏は支持者が集まる会場で深々と頭を下げ、「私の力不足。勝たなあかん選挙だった」と振り返った。
自民・維新推薦の田中陣営、国政選挙の余勢を駆るも及ばず
田中氏は昨年10月に市議を辞職し、自民党と日本維新の会が推薦を決定したことで選挙戦の枠組みが固まった。市議会では昨年3月、維新市議団や保守系会派などが「財政難なのに人件費抑制が不十分」などとして当初予算案を否決し、石井市政との対決姿勢を強めていた。
課題は田中氏の知名度不足だったが、今年2月の衆院選で「高市旋風」が吹き荒れると、陣営は勢いづいた。自民党の高市早苗総裁と日本維新の会の吉村洋文代表の写真を並べたチラシを配布し、決起大会や出陣式には両党の国会議員らが顔をそろえた。
しかし、石井陣営は「国政選挙と市長選挙は違う」と指摘し、結果として政策論争よりも政党イメージが優先される選挙戦となった。田中陣営の関係者は敗因について、「政策よりも政党のブランドが前面に出過ぎたことが響いた」と分析している。
市政運営を巡る対立と今後の課題
西宮市では財政問題を巡り、維新市議団や保守系会派が石井市政に批判的で、予算案否決などの対立が続いていた。今回の選挙結果は、そうした市政運営の在り方に対する有権者の判断を示したとも言える。
石井氏の3期目は、財政健全化や人件費抑制などの課題に直面するが、僅差での勝利は市政運営に慎重な姿勢が求められることを示唆している。田中氏の敗北は、地方選挙において国政政党の影響力が限定的であることを浮き彫りにした。
今後、西宮市では市政の安定と政策実行が焦点となり、有権者は引き続き市政の行方に注目することになるだろう。



