米のICC赤根所長ら制裁は撤回を、対話で解決を望む
米のICC赤根所長ら制裁撤回を 対話で解決を

トランプ米政権が、国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長ら幹部2人への制裁を科した。米国内に持つ資産が凍結される。ICC非加盟国の米国は、ICCがアフガニスタンでの米兵の「戦争犯罪」捜査を認めた点などに反発している。

米国務長官と下院委員長の主張

ルビオ国務長官は「ICCは悪意をもって権限を乱用している」と非難した。米下院のマスト外交委員長(共和党)はXで「われわれは独自の司法制度を持つ主権国家だ。いかなる非合法な裁判所もこの事実を変えられない」と指摘した。ルビオ氏はICC解体にも言及している。

解体論や制裁は行き過ぎ

解体論やICC幹部への制裁は行き過ぎだ。撤回してICCとの話し合いで解決してもらいたい。120以上の国・地域が加盟するICCは、戦争犯罪や人道に対する罪を犯した個人を裁く常設国際法廷だ。日本も加盟して支えてきた。高市早苗首相が制裁について「大変残念に思う。米国を含む関係国と意思疎通を継続しながら対応する」と述べたのは妥当だ。米国の翻意を促してほしい。

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ICCの問題点と今後の課題

ICCには問題もある。中国のウイグル人弾圧を人道犯罪として摘発したことはない。北朝鮮の自国民への弾圧や現在進行形の犯罪である日本人拉致も傍観している。中朝露など非加盟国での人道犯罪は、非加盟国自身の受け入れか国連安全保障理事会の付託がなければ裁けない仕組みだ。安保理常任理事国の中露が付託に同意するわけもない。これをどうするのか。米兵の事例は、アフガニスタンがICC加盟国であるため認めた。だが、米国は自国で整った軍法と軍法会議を有する民主主義国だ。当該国が放置する場合にICCが「補完性の原則」で対応するのが基本で、今回の米兵のケースが適切かは議論が分かれるところかもしれない。米国との話し合いが必要だ。

ICCを日本や欧州など自由と民主主義、法の支配を尊重する国々の側が手放してはならないと指摘しておきたい。一部の国際機関には専制国家中国の影響力が及んでいる。非加盟だが資金力のある中国の意向がICC内部に浸透すれば、自衛隊員が将来、国を守る戦いに従事した後、不当な嫌疑をかけられる恐れもある。ICCは民主主義国が支えていくべきである。

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