岡山県議会、憲法への自衛隊明記求める意見書を可決 3会派が反対
岡山県議会、憲法への自衛隊明記求める意見書を可決

岡山県議会は2日、憲法に自衛隊を明記することを求める意見書案を、自民党県議団などの賛成多数で可決した。都道府県議会で憲法改正の実現を求めた意見書が可決された事例は過去にもあるが、自衛隊の明記のみに絞って憲法改正を求める意見書が採択されるのは珍しいとみられる。

意見書の内容と経緯

意見書では、自衛隊の存在を憲法に明確に位置づけることは、国民の理解と信頼を一層深め、「自衛隊員の名誉と誇りを守るためにも重要」と指摘。明記に向けて国会の憲法審査会で議論を進め、国民的議論を喚起するよう強く求めるとしている。

国への意見書提出を求める陳情が市民から出され、総務委員会で9月29日に審議したところ、賛否同数で、自民党県議団所属の委員長採決で採択された。

自民党の説明と反対意見

自民党は、自衛隊の明記や緊急事態対応などの「改憲4項目」を2018年にまとめている。党県連幹部は取材に対し「自衛隊のみを取り出すことについて(内部で)議論はあったが、憲法改正は党の基本方針であり、それに基づくものだ」と説明した。

この日の本会議では、民主・県民クラブ、公明党県議団、共産党県議会議員団の3会派が意見書や陳情に反対する意見を述べた。

中川雅子氏(民主・県民ク)は「なぜ今、どのような改正が必要か、丁寧な説明が求められる。議論を尽くすことなく、地方議会が特定の憲法改正の方向性を国に求めることには慎重であるべきだ」、荒島俊造氏(公明)は「9条堅持を明確にしないままの意見書提出は平和安全法制(安保法制)の議論で確立した憲法解釈、自衛の措置の限界という重要な歯止めが将来変更されることにつながる可能性を否定できない」などとした。

市民の抗議活動

須増伸子氏(共産)は「集団的自衛権の完全実施に道を開き、日本を戦争できる国へ作り替える大問題」などと強調した。

午前10時の本会議開会に先立ち、議会棟の前では市民の有志ら約40人が集まり、声を上げた。「私たちの憲法を勝手に決めないでみんなで話そう」「憲法明記では自衛隊の名誉も国民理解も得られない」などのボードを掲げ、議会に向かう議員に意見書の不採択を呼びかけた。

参加者の女性(69)は「委員会で十分な審議もなく陳情が採択され、1週間もたっていない。ナーバスな課題で、ほとんどの人が知らない中、県民の意見を聴く期間を取っていないし、こんなスピードでやったら絶対だめだ」と憤った。