京都市が物価高対策として実施するデジタル地域ポイントの給付が、マイナンバーカード保有者に限定されていることに対し、市民から不公平だとの声が上がっている。市は業務の効率化を理由に条件を正当化するが、カードを取得していない市民からは「マイナカードの取得は任意のはずで、市のやり方は公正ではない」と不満が出ている。
給付の仕組みと利用状況
市は8月、地域経済の活性化や物価高対策として、5000円分のデジタル地域ポイントの給付を開始した。国の重点支援地方交付金を活用した施策で、「京都市公式アプリ」をスマートフォンにダウンロードし、マイナカードで本人認証すれば受け取れる。市内の約8200店で利用可能だ。
市によると、9月27日時点で市民約142万人の半数近くにあたる約66万5000人がポイントを受け取っており、「簡単で便利」などとおおむね好評という。スマートフォンを持たない人には、区役所などの窓口で職員がマイナカードによる本人確認を実施し、5000円相当の食料品や日用品を支給している。
カード保有率と対象外の市民
総務省の統計によると、全国のマイナカード保有率は84.3%(8月末時点)。京都市は全国平均を下回る79.5%で、政令指定都市で最も低い。ポイントの受け取りにはカード保有が欠かせず、カードを持たない市民約29万人は給付の対象外となっている。
「市民全員が物価高で困っている。行政サービスは公平公正に行うべきだ」。住民有志約160人でつくる「京都ポイントに異議ありの会」の男性(69)はこう訴える。9月に結成された同会は、マイナカードの有無にかかわらず、市民全員への給付を求めて署名や議会への請願活動などに取り組んでいる。
市の説明と今後の対応
マイナカードの導入時、政府はカードの取得はあくまで任意だと説明していた。男性はカードの利便性に理解を示しつつも、「データの流出など安全面に懸念があるので作っていない。取得は任意で、給付の前提条件とするのはおかしい」と語る。
こうした市民の声に対し、市はカードの活用で経費削減が図れたと主張。免許証などで本人確認をする場合に必要となる住民基本台帳との照合作業を省略でき、コロナ禍の特別定額給付金の支給時より約4億円の事務費を節約できたという。また、物価高で支援が必要とされる住民税非課税世帯や子育て世帯について、市は無条件で地域ポイントとは別に現金5000円を給付したと説明している。
ポイントの申請や利用については、来年2月28日が期限となっている。市地域自治推進室は「マイナカードは無料で誰でも取得できるので、これを機に作ってもらいたい。カードの安全性については丁寧に説明していきたい」としている。