外国勢力による選挙介入の痕跡、情報操作が容易な令和に専門家が提言する制度的対策
外国勢力の選挙介入、情報操作に専門家が制度的対策を提言

2025年の参議院選挙は、これまで日本であまり意識されてこなかった「外国からの選挙介入」が大きな注目を集めた。情報法制研究所事務局次長の山本一郎氏が自身のブログで「ロシアなどの外国勢力による関与の痕跡がある」と指摘したことで、議論が一気に広がったのである。

ボットシステムによる情報拡散の実態

山本氏によれば、生成AIと複数のスマートフォンを組み合わせたボットシステムが稼働し、不自然な日本語の投稿が大量に拡散されていたという。このシステムは人間が操作しなくても自動で投稿や「いいね」「リポスト」などの動作を繰り返す仕組みで、特定の投稿をあたかも広く支持されているかのように見せかけていた。これにより、特定の政治的主張が世論の多数派であるかのような錯覚が生み出されていた。

さらに、NHKの報道でもボットによる投稿の存在が指摘されたほか、凍結されたアカウントと連動していたまとめサイトの中には、ロシア国営メディア「スプートニク」の記事を引用したものも確認されている。

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影響評価と運営者の反論

ただし、山本氏の分析で用いられた技術や手法の詳細は明らかにされておらず、外国勢力の介入が実際に選挙結果にどの程度の影響を与えたのかについては、現段階では判断できない。また、NHKの報道に登場したまとめサイトの運営者は、個人による運営であり外国勢力とは無関係だと説明している。

国際大学グローバル・コミュニケーション・センター教授の山口真一氏は、その新著『嘘で満ちていく社会 データで読み解くフェイク時代の構造』の中で、言語の壁が弱まり情報介入の懸念が高まっていると指摘。デマ、詐欺広告、陰謀論、AIといったフェイク情報が社会に広がるメカニズムをデータと実例をもとに解説している。

外国からの介入に対する制度的対策の必要性

山口氏は、外国からの選挙介入に対して制度的な対策が必要だと提言する。具体的には、ボット対策としてのアカウント認証の厳格化や、政治広告の出稿元の透明性確保、さらには国際的な協調体制の構築などが挙げられる。日本はこれらの議論を本格化させる時期に来ていると警鐘を鳴らしている。

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