日本の国旗を損壊する行為を罰する国旗損壊処罰法案について、参院内閣委員会は14日、参考人から意見を聴取した。招かれた3人の識者のうち、憲法学者2人が表現の自由や思想信条の自由を侵害するとして「違憲」の可能性を指摘した。
罪刑法定主義の欠如を批判
中央大学法学部の橋本基弘教授(憲法)は、法案に反対の立場から「近代国家のイロハのイとも言える罪刑法定主義を全く満たしていない」と指摘。法案が「人に著しく不快または嫌悪の情を催させるような方法」で「公然と国旗を損壊」した場合を処罰対象としている点について、「極めて主観的であいまいだ」と述べた。その上で、「後出しジャンケン的な解釈による適用を許すような刑罰法規は、法の支配の否定を意味する」との見解を示した。
国家批判の抑圧を懸念
橋本教授は、国旗は国家の象徴であり、損壊行為は「国家への最も強力な抗議のメッセージ」の手段になると指摘。これらの行為を処罰することは「国家や政府に対する最も強力な批判を禁止することを意味する」と訴えた。
「二つの運命しかない」と木下教授
神戸大学大学院法学研究科の木下昌彦教授(憲法)は、法案が政治的言論をも規制対象とすることなどから憲法違反にあたると指摘。「本法案には二つの運命しかない」と前置きし、「最高裁において違憲無効とされる運命か、さもなければ我が国の自由な言論の喪失の端緒になったと後世の歴史家によって記述される運命だ」と語った。
賛成意見も
一方、参考人として出席した海上自衛隊の元海将は、国旗損壊を禁止する必要性を強調し、法案に賛成する立場を示した。しかし、その詳細な主張については、会議の非公開部分で述べられたとみられる。
参院内閣委員会では今後、法案の審議が続く見通しだが、憲法学者から明確な違憲論が示されたことで、議論は一段と活発化しそうだ。



