職場の世代間断絶、静かに進行 ベテランと若手の溝を埋める4つのステップ
職場の世代間断絶、静かに進行 溝を埋める4つのステップ

職場で世代間コミュニケーションの断絶が静かに進行している。ベテラン世代は若手社員の価値観を理解できず、ハラスメント問題を恐れて積極的な関わりを避ける傾向にある。彼らからは「若い人と接するときに何を言っていいのか分からない」という声をよく耳にする。

一方、若手世代は従来の組織文化や習慣に強い違和感を抱いている。しかし、それを声に出して問題提起しても状況が改善するとは思えず、ある日突然、静かに会社を辞める選択をする人も少なくない。

その間に位置するミドル世代は、上下両方の世代の気持ちを何とか理解できる立場にありながら、どちらとも本音で語り合うコミュニケーションの構築に苦戦している。

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断絶の背景にある価値観の違い

今、世界的に「断絶」が大きな社会課題として議論される中、日本企業の組織内でも同様の現象が静かに広がっている。「職場の一体感など求めずとも、仕事は仕事と割り切ればよい」という考え方もある。

しかし、断絶が極端に進行すると、組織の健全性や生産性は低下する。組織はつまるところ「人」の集合体である。人と人とのつながり、共同体としての側面を完全に無視しては、組織として機能しなくなる。研究によれば、相互理解や信頼関係が高まるほど、組織の生産性や創造性も向上する傾向があることが分かっている。

今回は、組織内の断絶について考えてみよう。断絶を「問題」や「悪」と決めつけるのではなく、まずはその「正体」を理解することが重要である。

日本の伝統的な組織文化と3つのタイプ

「組織と個人の関係」は、おおまかに「同化タイプ」「半身タイプ」「孤立タイプ」の3つがある。これらが何によって分類されるかというと、日本企業の「伝統的な組織文化・習慣」との心理的な距離感である。

日本企業の「伝統的な組織文化・習慣」は、主に戦後の高度成長期に形成され、次のような特徴がある。

  • 同質性・協調性の重視(異質な人を排除しがち)
  • 上下関係や序列の重視
  • 合意主義・全員賛成主義
  • 家族主義的な人間関係
  • 個人より集団を優先(暗黙にによる集団への制裁)

最近、JTC(Japanese Traditional Company、伝統的な日本企業)という言葉をよく耳にするが、まさにこれはJTCらしさを支える組織の文化・規範を表している。この基盤に支えられて、戦後日本の驚異的な経済成長が実現したことも事実である。失われた30年の間に、少しずつ揺らぎに変化してきましたが、いまだにかなり根強く日本企業に残り続けています。

3つのタイプ別に見る職場での行動と悩み

この「伝統的な組織文化・規範」(以下、T規範)に心理的に距離感が近いか、遠いかによって、社員の「3つのタイプ」を想定することができる。

(1)同化タイプ

一つ目は「同化タイプ」である。T規範にほぼ完全に同化している。昭和中期くらいまでに生まれた人に多いケースである。少し注意が必要なのは、これらのタイプは単純に年齢とひも付いているわけではなく、育った地域、環境、個人の価値観などによって異なるということだ(若い同化タイプ、シニアの孤立タイプもありえます)。

同化型は社会の主流の規範と同化しているため、職場での心理的な安定感は高めである。また、規範と近すぎるために自分の価値観を客観的に認識することが困難で、将来の習慣などの問題が指摘されても「世の中、そういうものでしょ」とあまり振り返りません。

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異なる価値観については「おかしい」「間違っている」と感じ、批判・攻撃をしやすい傾向もある。無自覚なままで、自分のことも他人のことも分かっていないと他のタイプからは見られます。

一方で、T規範の外の世界に触れることに恐怖を持ちやすく、例えば定年後などは、自分をすっぽり覆っていたT規範がなくなると、急に自信や心の安定を失うこともあります。

(2)半身タイプ

T規範をある程度受け入れている(受け入れざるを得なかった)部分と、そうでない部分が混在している。年代的には、昭和後期~平成初期生まれに多いタイプである。

会社に愛着はあるものの、同時に客観的・批判的に見る眼も持っている。よくも悪くも強烈な上の世代への対抗心(カウンター)から自身のアイデンティティを形成してきたこともあり、T規範に対して批判的なことを口にしたりします。

しかし、根っこではやはりT規範に根ざしていて、下の世代に対して無意識にT規範の立場から批判することもあり、そのアイデンティティは揺れ動いている。上の世代にも下の世代にも近く、両方の気持ちが何とか分かる位置にいますが、上下の世代からは、どことなく中途半端で迫力不足と見られがちです。

(3)孤立タイプ

このタイプはT規範との心理的距離が遠く、ほぼ接点がないのが特徴である。

平成中期以降生まれに多いタイプである。同化タイプは内面化されたT規範が個人のアイデンティティとなり、半身タイプではT規範への対抗がアイデンティティとなりやすかったことに対して、孤立タイプはT規範と関わりなく、独力で「自分は何者か」というアイデンティティの探求をしなければならないという「実存的不安」を抱えています。

それゆえに、他のタイプからは、たえず承認を求めているように見えます。同時にテクノロジーの進歩によって膨大な情報にアクセスできるので、なおさら情報の海に溺れがちです。

会社や会社の人間関係については、「代替可能」なものと考えていますし、T規範的な共同体については、自分の人生の可能性を狭めるもの、非合理なものとして、懐疑する傾向があります。