会議で「A案かB案か」という二択構造になると、どちらかが勝ち、どちらかが負ける構造が生まれ、メンツが絡んで話し合いがこじれる。要領のいい人は、第三の案や中間案を提示することで、議論を戦いから協力モードへ切り替えるという。
二択が生む対立と「中間案」の本質
人は自分の経験や価値観を基に物事を判断する。そこに他の人の視点が加わると「なるほど、その角度があったか」「自分の見落としていたリスクがあった」「違う優先順位が存在した」といった知的補正が自然と起こる。これがチームで話すことの最大のメリットだと、作家で講演家の岡崎かつひろ氏は指摘する。
ただし、話し合いが重要であるにもかかわらず、実際の現場では「対立」や「空気の重さ」からうまく意見が出ないことが多い。そこで必要になるのが「別案」や「中間案」を持っておくことだ。
対立は、A案かB案かという二択構造になるときに起きる。あなたの案と相手の案、そのどちらかを選ぶとなれば、どちらかが勝ち、どちらかが負ける構造になってしまう。勝ち負けが生まれると、メンツが絡み、話し合いがこじれる。
しかし、ここで「第三の案(別案)」や「両者の利点を活かした中間案」を出せば、議論は一気に戦いから協力モードへ切り替わる。
「全員に小さな得がある案」を探す
例えば、あるプロジェクトの進め方で、Aさんがスピード重視、Bさんが品質重視の場合、普通なら「早いほうがいい」「いや、丁寧にやるべきだ」とぶつかる。しかし、「初回はスピード重視で試作だけ作って、品質は次の段階で上げていくのはどう?」と提案できれば、これは妥協ではなく、両者の価値を組み合わせて全員が“ちょっと得する”案になる。集合知性とは、まさにこの状態のことで、お互いの視点が対立するのではなく、それぞれの強みを合体させるイメージだ。
ここで誤解してほしくないのは、「中間案=どっちつかず」ではないということ。本質は、全員のプラスを残すことにある。
話し合いで最もよくないのは、「全員が少しずつ不満を抱える妥協案」に落ち着くことだ。それでは誰も納得していないし、熱量も生まれない。要領のいい人は、妥協を提案するのではなく、「全員に小さな得がある案」を探すのだという。



