リニア静岡工区の教訓、JR東海の情報開示不足と川勝氏の思惑 有識者が語る
リニア静岡工区の教訓、JR東海の情報開示不足と川勝氏の思惑

静岡県が着工を容認したリニア中央新幹線の静岡工区をめぐっては、JR東海と県が9年にわたり、大井川の流量減少の問題などについて議論を重ねてきた。両者の調整役を担った国土交通省の有識者会議で委員を務めた大東憲二・大東地盤環境研究所長(環境地盤工学)に、一連の協議を通じて見えた課題や教訓について聞いた。

JR東海の情報開示不足と上から目線の姿勢

JR東海は2011年からリニア工事が環境に与える影響を調べる「環境アセスメント」を始めたが、データ開示や地元自治体への説明が不十分だったとの指摘があった。当時の姿勢をどうみていたか。

大東氏は、静岡工区に関わる前、愛知県の環境影響評価審査会の委員や会長として約2年3カ月にわたってリニア工事の審査に携わった経験から、「同社はなかなか情報を出さない体質だと感じていた。毎回のように地盤調査のデータ開示を要求していたが十分には出てこなかった」と振り返る。

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さらに、「旧国鉄という、旧建設省よりも権威があるとされた組織の出身という意識が根強く、『自分たちがインフラを造ってやっている』という上から目線がずっと続いていたのだろう。静岡工区でも情報開示をめぐって同様の姿勢だったため、川勝平太前知事とぶつかり身動きが取れなくなったのだと思う」と指摘する。

川勝氏の思惑と今後の課題

当初のJR東海は、環境アセスメントのデータを十分に開示せず、地元自治体への説明も不足していた。こうした姿勢が川勝前知事との対立を生み、工事着工が長期間遅れる一因となった。

有識者会議での議論を通じて、大東氏は情報公開の重要性とともに、地域との信頼構築の必要性を強調する。静岡工区の着工容認は決まったが、リニア中央新幹線の全線開業に向けては、今後も環境への配慮と地域との対話が求められる。

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