伝説の事務次官が語る「最初の20秒」の重要性と震災の教訓
伝説の事務次官が語る「最初の20秒」の重要性

東日本大震災から15年が経過した今、現場で指揮を執った元国土交通事務次官・徳山日出男氏が初めて当時の判断を詳細に語った。約10時間の取材に基づくシリーズの第10回では、「教訓の歪み」と生き延びるために本当に必要なことについて論じている。

地震の確率と人間の心理

「分かっちゃいるけど、やれていない」——徳山氏はこの言葉で、日本の地震対策の現状を表現する。宮城県沖で大地震が起きる確率は「30年以内に99%」とされ、工学的には「100%」に等しい。しかし、東日本大震災の約2カ月前に東北地方整備局長に就任した徳山氏自身も、「自分の在任中は起こらないだろう」と高をくくっていたという。赴任から53日後に大地震が発生した。

最初の20秒が生死を分ける

徳山氏は、地震発生直後の「最初の20秒」に圧死しないことが最も重要だと強調する。多くの人は備蓄品の確保に走るが、実際には落下物や倒壊物から身を守る即座の行動が生存率を大きく左右する。水や食料よりも、まずは身の安全を確保するための知識と訓練が必要だと指摘する。

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超法規的措置とリーダーシップ

震災当時、徳山氏は国土交通省東北地方整備局長として現場の総指揮を執り、果断な判断で超法規的措置を繰り返した。例えば、災害復旧のため通常の手続きを省略し、迅速な対応を優先。これにより津波被害の復旧が大幅に加速した。後に「伝説の事務次官」と呼ばれる所以である。

日本の地震予知への疑問

徳山氏は自らの経験から、日本の地震予知のあり方に疑問を呈する。確率論的な予知に頼るあまり、個人の備えや初動対応が軽視されていると指摘。実際の災害では、予測不能な要素が多く、むしろ「いつ起こってもおかしくない」という前提で行動する必要があると説く。

ビジネスリーダーへの教訓

本シリーズは、徳山氏の思考や判断をビジネスリーダーや官僚にとっての教科書として位置づけている。危機管理において、事前の備えだけでなく、発生直後の20秒間の判断力が組織の命運を分ける。徳山氏は「リーダーは最初の一瞬で決断し、行動を起こせ」と語る。

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