高市政権発足1年、長期政権見据え手堅い人事と柔軟な政策実現
高市政権1年、長期政権見据え手堅い人事と柔軟な政策

自民党と日本維新の会による高市早苗政権が発足してから21日で1年を迎えた。首相は同日、官邸で記者団の取材に「今日から高市内閣2年目の挑戦が始まる。目下の重要政策は世界的な物価高を受けての、さらなる対策強化だ」と述べた。政権発足から1年について「公約を1つずつ着実に実現していくことこそが使命であるとの思いで、この1年間は走り続けてきた」と振り返った。

内閣改造と人事の狙い

政権1年を前にした9月17日、首相は内閣改造を行い、第2次高市改造内閣を発足させた。政策の継続性と実力を重視して木原稔官房長官ら8人を留任させ、「政権の骨格」を維持した。前日16日の自民役員人事でも麻生太郎副総裁らを続投させた。

維新からの初入閣はあったが、全体的に派手さはなく実務派をそろえた人事だった。首相の狙いは明確だった。首相は「長期政権」という言葉を口にしながら、人事案を練り上げていた。ある首相側近は「この1年間、官邸の主として政権を運営する中で自信を深めたのだろう。長期政権には安定した布陣が欠かせないという首相の意思が表れている」と明かす。

政策実現と連立の課題

先の特別国会では連立合意書に盛り込まれた多くの法案を成立させ、今国会では飲食料品の消費税減税関連法案などに臨んでいる。首相は今月21日、維新との連立のあり方を問われ、連立合意書を重視する考えを強調し、「先の内閣改造で初めて政務三役に参加してもらった。責任をより重く担ってもらうパートナーとして歩んでいきたい」と語った。

ただ、与党は参院で過半数割れしており、この弱点を補うため「首相は国民民主党、さらには公明党との協力も排除しない柔軟性を見せている」(政府関係者)という。

長期政権へのシナリオ

手堅い人事や政策実現に向けた柔軟性といった首相の変化は「長期政権」を見据えたものだ。その第一歩が来年秋の自民総裁選での再選となる。無投票再選を目指す首相にとり、一連の人事は来年秋に向けた環境作りの一環だといえる。

こうした中、萩生田光一幹事長代行は20日の記者会見で、首相(党総裁)の再選支持をいち早く明言した。「一寸先は闇」の政界だが、これまでも党実力者の発言が政局の流れを作ってきた。

「決断と挑戦、そして実行の内閣として重要な政策転換を実行に移し、その成果を日本列島の隅々まで届けていく」首相は21日、政権2年目の抱負をこう語った。「決断、挑戦、実行」の先に、長期政権へのシナリオを描き始めている。