AIにハマった銀行員、新会社社長に 北海道の中小企業支援へ
AIにハマった銀行員、新会社社長に 北海道の中小企業支援へ

北洋銀行(札幌市)は、北海道内の企業を対象にAI(人工知能)の活用を支援する新会社を8月に設立した。社長を務めるのは、ゲームやヘビーメタル、バイク、釣りなどに熱中してきた「ハマる銀行員」こと浅野泰昭氏(52)。AIの効用に魅了され、人手不足が進む道内企業を支えるため、銀行を飛び出した。

AI活用の新会社「AI Ignition」設立

新会社の名称は「AI Ignition(イグニッション)」。北洋銀行の100%子会社として札幌市に設立され、道内の企業や自治体向けにAI研修やコンサルティング、AI広告の制作を請け負う。社員7人を率いる浅野氏は、同行の新事業創出部の担当部長を経て社長に就任した。

ChatGPTとの出会いが転機に

浅野氏がAIにのめり込むきっかけとなったのは、2022年末に公開されたばかりの対話型AI「ChatGPT」との出会いだった。自腹で月10万円以上を費やし、60種類以上のAIツールを使いこなすほど習熟。動画や音楽を制作し、「今まで出来なかったことが出来る」と興奮したという。

昨年、行内で開催されたアイデアコンテストでは、AIを活用して25の企画を提出。うち2つが最終候補に残り、AIで作った動画や音楽で説明すると、会場がどよめいた。結果は準優勝に終わったが、その後の転機は意外な形で訪れた。

頭取の言葉が背中を押す

「もう50代だし、そろそろ先のことを考えよう」と思っていた矢先、津山博恒頭取から「AIのビジネスをやってみないか」と声をかけられた。浅野氏は「あとは好きなことをやってやろう」とAI事業の担当部長に就任。行内での実地研修を重ね、AIの利用回数を6倍に増やす実績を上げ、約1年で新会社の設立にこぎつけた。

津山頭取は新会社への期待を語っている。