農林水産相に起用された自民党の武部新衆院議員は15日、国会内で記者団に対し、高市早苗首相が閣僚人事などの参考にした「役職希望アンケート」に同職を書き込んだことを明かした。「農林水産大臣について希望していた。取り組みたいという思いをアンケートに書いた」と述べ、念願のポストで農政に取り組む意欲を示した。
「手綱をちゃんと、鞭も入れつつ」と競馬好きらしい抱負
競馬好きの武部氏は、農水相としての抱負を尋ねられると「手綱をちゃんと、鞭も入れつつ頑張って、直線を走っていきたい」と意気込んだ。武部氏はかつて衆院農林水産委員会で、地方競馬出身のメイセイオペラや北海道ゆかりのコスモバルクを挙げ、地方出身馬が中央競馬のエリート馬を破る姿に胸がすく思いがすると語っていた。
道路予算の減額を巡る発言で辞任した簗和生前農水相とは当選同期で、ともに農政の政策作りに励んだ。簗氏の辞任を「大変残念に思う」と惜しむ一方、問題となった発言については「あってはならない」と指摘した。農水相は過去にも不祥事などによる辞任が相次ぎ、政界では時の政権にとり「鬼門」とも呼ばれる。武部氏は、その背景について「それぞれケースが異なるので、一概に申し上げることはできない」と述べた。その上で、各地の生産者の期待に応える決意を示した。
父・勤氏からの激励「厳しいときだからこそ力を発揮するように」
武部氏の父は、かつて農水相を務めた武部勤・自民党元幹事長。父に就任を報告すると、在任中に牛海綿状脳症(BSE)問題に直面した経験を踏まえ、「こういう厳しいときだからこそ、しっかりと力を発揮するように」と激励されたという。武部氏は「親子続けて農林水産大臣になったことは大変喜んでいた」と語った。
中国による日本産水産物の輸入規制については、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を巡る中国側の対応を念頭に、「科学的根拠もなく中国の方が一方的に輸入を閉ざしている」と指摘。「科学的に安全であることについて、しっかりと話し続けていきたい」と述べ、輸出再開に向けて働きかける考えを示した。
食料安全保障の確立を最優先課題に
農政では食料安全保障の確立を最優先課題に掲げた。担い手不足や農地の確保に取り組むほか、「稼ぐ農業、林業、水産業」への転換を目指す。植物工場や陸上養殖などの研究開発を進め、生産技術やシステムの海外展開にも意欲を示した。