老後資金を巡っては、かつて「2000万円」が目安とされたが、最近では「4000万円必要説」も広く知られるようになった。しかし、実際の貯蓄データには大きな偏りがある。
総務省の家計調査によると、二人以上世帯の約7世帯に1世帯が貯蓄4000万円以上を保有している。その一方で、金融広報中央委員会の2023年「家計の金融行動に関する世論調査」を見ると、単身世帯の金融資産保有額の中央値は20代で9万円、30代で100万円、40代で47万円、50代で80万円と、100万円以下にとどまる。
二人以上世帯と単身世帯の資産格差
同調査による平均金融資産保有額(カッコ内は中央値)は以下の通り。
二人以上世帯- 20代:249万円(30万円)
- 30代:601万円(150万円)
- 40代:889万円(220万円)
- 50代:1147万円(300万円)
- 20代:121万円(9万円)
- 30代:594万円(100万円)
- 40代:559万円(47万円)
- 50代:1391万円(80万円)
平均値と中央値の乖離は、資産が一部の世帯に集中していることを示している。特に単身世帯では、中央値が30~40代で50万円を下回る年代もあり、老後資金の確保が難しい現実が浮かび上がる。
(経済ジャーナリスト 岩崎博充)



