石破茂前首相は、日本と東アジアの隣国との関係について、歴史を直視すべきとの考えを示した。日本の将来、アジアの将来のために、いま一度、歴史をきちんと直視すべきではないかと述べ、現下の北東アジア情勢において、日本と韓国は今以上に緊密に連携しなくては、中国や北朝鮮、あるいはロシアの脅威に対抗できないと語った。
日韓の近代史を受け止める必要性
そのためには、われわれが日韓の近代史を受け止めなくてはならないと強調。戦前に同じく日本領土となった台湾との関係は極めて良好なのに、なぜ朝鮮半島は違うのか。それはそれぞれが背負う歴史が異なるからだと説明した。
日清戦争の結果、1895年の下関条約で日本に割譲された台湾は、清王朝から「化外の地」として扱われ、あちこちでマラリアが蔓延する、放置された島だった。そこに日本は近代をもたらした。鉄道を敷き、上下水道を整備し、学校を建て、人々に教育をほどこした。だから、台湾は日本のおかげで開化したと捉えられた。
朝鮮半島との歴史の違い
一方で朝鮮は、当時の朝廷がいかに腐敗していようと、立派な独立国家だった。それに対して日本は、善意ではあっただろうが「同一化」を求めた。「今から君たちは日本人だ」「望めば日本人の名前を名乗ることができる」「神社を拝みなさい」「日本語で話しなさい」と言われ、受け入れられるはずがなかった。
こういった歴史上の過ちを正面から認めて反省する必要があると石破氏は述べた。もちろん、私たちが直接やったことではないから、その意味で謝罪はできませんし、その立場にあるわけでもない。しかし、大日本帝国と日本国は連続する国家であり、日本国憲法も帝国憲法を改正する形で作ったものだ。国家として連続している以上、日本国民であるわれわれは大日本帝国が何をやったのかについて、客観的に正しく認識すべきだと語った。



