高市内閣が今国会の最重要法案に位置付ける消費税減税・支援金法案は20日、衆院本会議で趣旨説明と質疑が行われ、審議入りした。焦点の一つである支援金の対象者について、高市首相は諸外国の類似の制度をあてはめた場合として「年収350万円」を上限とし、約2000万人に支給する案に言及し、「一つの参考とし、国会での審議も十分踏まえつつ検討する」と述べた。
法案の柱と今後のスケジュール
法案は2027年4月から2年間、食料品の消費税率を8%から1%に引き下げ、29年度に「就業者負担軽減支援金」を本格導入することが柱となる。政府・与党は11月上旬までに衆院を通過させ、12月12日までの会期内の成立を目指す。
首相は本会議で、消費税減税について、市場の信認を確保する観点などから「2年後には責任を持って確実に税率を元に戻す」と訴え、仮に首相が交代しても「現在の与党の首相であれば、同様の対応になる」と強調した。
減税延長と解散の可能性
経済への影響を考慮して減税を延長する場合、衆院解散に踏み切るかどうかを問われると、「景気を理由に延期することは考えていないため、国民に信を問うことは想定していない」と明言した。大規模災害や感染症の大流行があれば、「臨機応変に判断していくべきだ」とも付け加えた。
支援金は、27、28年度には消費税率1%相当分(年6000億円)で先行実施する。法案では、本格導入後も含めて対象者や支給額は示されていない。政府は本会議に先立ち、与野党に対し、先行実施の対象者とする年収の下限として、社会保険料の負担が生じてきたことを考慮して「106万円」案を軸とし、給与所得控除を超える「74万円」、雇用保険の加入基準の「53万円」の2案も選択肢として示した。対象を「年収100万~350万円」とすれば、約2000万人に平均年3万円程度を支給することも例示した。
対象者決定の考え方と今後の見通し
首相は、年収の上限額について「現段階で特定の額を念頭に置いているわけではない」とし、対象者の決定には「最新のデータに基づいた分析、精査を行う必要がある」と説明した。
参院では与党が過半数に4議席足りておらず、政府・与党は野党の賛成も得て法案の成立を図る考えだ。