安土城築城450年、幻の城と信長の夢追う湖東の旅 新展示続々
安土城築城450年、幻の城と信長の夢追う湖東の旅

炎暑の日が続くが、暑さを一時忘れて楽しめるおでかけスポットは多い。滋賀、福井両県でおすすめの場所を紹介する。

安土城跡周辺3施設で新展示

「滋賀県立安土城考古博物館」(滋賀県近江八幡市)には、八角形のシアターに設置された5面スクリーンがあり、没入感が楽しめる。安土城の天主(天守)として有力な八角形になぞらえた形のシアターで、5面のスクリーンが目前に広がる。宣教師ルイス・フロイスが著書で「ヨーロッパの最も壮大な城に比肩しうる」「彼らが天守と呼ぶ一種の塔があり、我らヨーロッパの塔よりもはるかに気品があり壮大」と評した安土城。次々と投影される映像世界に引き込まれ、その威容を体感できる。

天主が焼失するなどし「幻の城」とされる安土城は今年、織田信長が築城してから450年となる。周辺の3施設では、当時に思いをはせることができる新たな展示が始まっている。

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5面スクリーンのパノラマ映像

「滋賀県立安土城考古博物館」に昨年3月に登場した5面スクリーンは幅23・5メートル、高さ3・8メートル。安土城や安土城跡の研究、発掘調査の歩みを紹介するコンピューターグラフィックス(CG)のパノラマ映像(約15分)は迫力満点だ。

前半は、信長がイエズス会宣教師アレッサンドロ・ヴァリニャーノに安土城を案内するストーリー。失われた安土城天主復元の手がかりだといい、信長が安土城や城下町を描かせたとされる「安土山図屏風」をヴァリニャーノに与えたエピソードも描く。

後半は、これまでの発掘調査で出土した天主の礎石や金箔瓦などの遺物のほか、古文書や絵図などから研究者が作成した主な天主復元案六つを紹介するなどした。

シアターは20分おきに上映する。同博物館の藤崎高志・学芸課長は「県の発掘調査が進んでいることや、『安土山図屏風』を探索していることを知ってもらい安土城に興味を持ってほしい」と話す。

資料館と信長の館の新たな取り組み

「安土城郭資料館」では今春、天正遣欧使節の旅路を描いたインターネットドラマ「MAGI 天正遣欧少年使節」(2019年)で、信長を演じた俳優吉川晃司さんがまとったビロード風マントや鳥の羽根を付けた帽子を再現した衣装が加わった。大人用(500円)、子ども用(300円)があり、着付け体験ができる。

「安土城天主 信長の館」では、安土城や城下町を再現した仮想現実(VR)空間を体験する装置「安土城タイムトリップVR」がお目見えした。VRゴーグルを装着、忍者や鳥の気分で散策することができる。施設の担当者は「信長の時代にタイムトリップする体験を楽しんで」と話す。

各施設を巡り、信長の人生をなぞる。眼下に琵琶湖を望み、天下を目の前にした先駆者の胸の内に思いをはせた。(中村総一郎)

信長ゆかりのグルメも

近くの「文芸の郷レストラン」は信長や安土にちなんだメニューが並ぶ。織田家の家紋のひとつ「織田木瓜」をカボチャやピーマンの輪切り、ダイコンの千切りで表現した「信長ハンバーグ定食」(税込み1700円)、ヨシを練り込んだうどん、赤こんにゃく、えび豆、かちどき汁など地元の味をそろえた「安土御膳」(同1700円)もある。

午前11時からで、平日は午後2時まで、土日・祝日は同3時まで。原則月曜と祝日の翌日は休み。問い合わせはレストラン(0748・46・6555)。

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