田山花袋の兄・実弥登(みやと)が編著を務めた「埋(うも)れ木」が、田山花袋記念文学館で開催される特別展で展示される。実弥登は慶応元年(1865年)生まれで、花袋より6歳上。花袋の作品ではたびたび登場人物のモデルとなった人物として知られる。
旧藩士のネットワークで編纂された館林藩史
田山家は館林藩主秋元家に仕えた家柄で、明治維新後には父の鋿十郎(しょうじゅうろう)が警視庁巡査となったが、西南戦争で戦死した。長兄の実弥登は田山家を支えるため、旧藩士で元家老の岡谷繁実の紹介で、明治19年(1886年)から内閣臨時修史局(現東京大学史料編纂所)で働き、歴史編纂の仕事に携わった。
同時に繁実とともに館林藩の歴史もまとめていたが、明治40年(1907年)に肺結核で亡くなった。その翌年に実弥登が編著を務めた「埋れ木」が出版された。
幕末の藩政改革を担った家老の事績
「埋れ木」は、幕末に館林の藩政改革を行った家老の岡谷瑳磨介(おかのやさまのすけ)(勝益(かつます))についての事績をまとめた内容で、旧藩士のネットワークを生かして館林藩史を編纂しようとしていたことがわかる。
19日からの特別展「館林藩主秋元志朝没後150年―幕末の田山家と激動の館林藩―」では、この資料をはじめ幕末の館林藩の動向と田山家に伝わった関係資料を展示し、旧藩士としての田山家の側面も紹介する。



