読売新聞の長期連載「昭和史の天皇」(1967~75年)の初回には、「天心の笑い」が登場する。戦争の苦難を経て、心からの笑顔で記者とやりとりできる時代を迎えた天皇の姿が描かれ、「国民として、心が安まる」とつづられていた。
天皇陛下は先月15日、静養先の栃木県那須御用邸で、皇后さま、長女愛子さまと一緒に笑顔で取材に応じられた。昭和天皇が「自然が生きている」と表現した那須にご一家で来られて「大変うれしく思う」と述べられた。
静養先に届いた知らせ
その2日後、この静養先に重要な知らせが届いた。女性皇族が結婚後も皇室に残ることと、戦後皇籍離脱した旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎えることを可能にする改正皇室典範が成立したという報告だ。
前例のない制度の下で
このような前例のない制度の下で、天皇陛下は皇室を統括される立場になった。女性皇族の夫や子は一般国民として扱われることになり、愛子さまの人生設計も影響を受けるだろう。
「心からの笑顔」の将来
「天心の笑い」を身近に感じる象徴天皇制の将来は、どうなるのか。賛否が割れた法改正の影響は見通せず、心が安まらない日が続いている。(編集委員 沖村豪)



