札幌市は25日、アイヌ民族への差別的な表現を巡り、公共施設の使用承認に関するガイドライン(手引)の策定を進めるため、有識者でつくるアイヌ施策推進委員会の専門部会の中間報告を公表した。
使用制限の基準と対象となる言動
公共施設の使用制限については、過去の裁判例などを踏まえ、不当な差別的言動が行われることで基本的人権が侵害される危険が予測される場合や、施設管理に支障が出る事態が予測される場合などに認められることとした。差別的言動については「アイヌ民族はもういない」といったアイヌ民族の存在を否定したり、著しく侮蔑したりするものを挙げた。
手続きの流れと課題
使用制限は、行政指導(警告)、条件付き承認、承認の取り消し、不承認などを想定。施設の指定管理者が使用申請の内容や申請者の活動歴、発信している情報などを確認し、適宜申請者からの聞き取りも行った上で、第三者機関の意見なども踏まえて決定する形を検討するとしている。
一方で、専門部会では「差別的言動を行わないこと」とする警告・条件付き承認の実効性には疑問が残る点や、施設利用日に差別的言動があった場合に現場で直ちに承認を取り消すことは実務的に困難である点などが指摘されたという。
今後のスケジュール
部会は今後、さらに具体的な内容の検討を進め、年内にも手引案を取りまとめた上で、年度内に市へ答申する方針。市は2027年度の運用開始を目指す。
市アイヌ施策課の脇山秀課長は「アイヌ施策推進委でいただいた意見を踏まえ、専門部会で完成に向けた議論を進められるよう事務局としても支援していきたい」と述べた。



