道路予算「不自然な減額」はなぜ少ない?10自治体に聞く
道路予算「不自然な減額」はなぜ少ない?10自治体に聞く

国土交通省による道路予算の配分をめぐり、簗和生・前農林水産相(当時)の「予算カット」発言が問題となっている。名指しされた栃木県那須烏山市と那珂川町では実際に配分額が大きく減り、一部工事を休止した。国交省は問題発覚後、今年度に予算が半減した自治体は全国で約1割あると説明しているが、実際はどのような状況なのか。

「社会資本整備総合交付金」とは

問題となっているのは、国が県や市町村の要望を受けて道路予算の配分額を決める「社会資本整備総合交付金」だ。2026年度の総額は約1兆3千億円で、自治体から整備を求める道路や要望額を盛り込んだ計画を受け、国交省が費用対効果や緊急性などを加味して配分額を決める。

簗氏に名指しされた栃木県那須烏山市と那珂川町では、26年度の予算が前年度より大幅に減額されていた。特に那珂川町は2262万円で54%減っており、要望より約7割少なかった。2年前、3年前と比べても半分以下だった。

2市町の対応と国交省の説明

2市町は「過去にこれだけ減額されることはなかった」とし、要望から大幅に減らされた理由についても心当たりがないとしている。これにより、予定していた工事の一部を休止した。

簗氏が配分額決定前の今年2月に2市町の配分について国交省に問い合わせたことは双方が認めているが、「圧力」は否定している。

全国の自治体に聞いた実態

国交省はこの交付金について、主要な事業の配分先のデータを公表している。朝日新聞は、この中で交付金の配分額と配分先が分かるものを集計した。

すると、交付金の配分を受けた自治体は26年度は少なくとも1119あり、配分額が25年度の半分以下だった自治体は国交省の説明どおり、1割強の120あった。

この中で、那珂川町のように、過去3年間のどの年度と比べても26年度は半分以下だった自治体は55あった。このうち公表データで、他の事業の交付金を受けていることが確認できた自治体を除くなどして、10自治体に取材し、大きく減額されている実態を調べた。

すると、一つを除きどの自治体も「不自然な減額はなかった」と口をそろえた。各自治体の担当者は「知る限りない」「聞いてびっくり」「工事が...」と話す。

茨城県坂東市は、23~25…