警察学校のルール緩和進む、髪型自由・スマホ制限緩和で採用増狙う
警察学校ルール緩和、髪型自由・スマホ制限緩和で採用増狙う

全国の警察学校で、髪形やスマートフォンの使用などのルール緩和が進んでいる。大阪府警では今年から、髪形が原則自由となった。警察官の志望者が激減する中、「警察学校は厳しそう」「教官は怖い」とのイメージを払拭し、採用を増やす狙いがある。

時代に即さないルールの見直し

府警の警察学校は今年1月、学生の髪形についての校則を改めた。男女ともに「清潔かつ端正であれば、原則自由」。以前は男性の場合、側頭部を短く刈り上げる「ツーブロック」やスキンヘッドは認められなかった。これまでは学生の多くがスポーツ刈りだったという。

スマホの使用については従来、休日前の平日の夜や、土日祝日に限られていた。昨年8月には、入校から卒業までを4段階に区切り、徐々に使える時間が増えるようにした。入校直後は原則使用できないが、卒業前には、平日は授業後から午後9時45分の夜の点呼まで、休日は朝食後から点呼まで使える。

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他県警でも同様の動き

兵庫県警も今年4月、スマホの使用制限を大幅に緩和。従来、平日は終業後から夜9時半までで、自室での使用に限っていたが、執務時間以外は寮内であれば自由に使えるようになった。入校3週間後から可能だった外泊は、昨年10月から2週間後に短縮した。他の都道府県警でも、同様の動きが相次いでいる。

警察学校では、警察官にとって欠かせない規律意識や、強靱な精神力を養うため、厳格なルールが課されてきた。

警察庁の調査と緊急対策

しかし警察庁が2024年、全国の若手警察官ら477人に採用試験を受験した時の不安だった点を尋ねたところ、「警察学校が厳しそう」などと学校に関連する回答が約40%を占めた。こうした状況を受け、同庁は人材確保のための「緊急対策プラン」を策定し、今年4月に公表した。

緊急対策プランでは、警察学校のルールが時代に即しておらず、「『過剰に厳しい』と認識されることで、志望者に不安を与えている側面がある」と判断。全国の警察に対し、髪形や携帯電話の使用、外泊に関する制限の緩和を速やかに実施する対策だと伝えた。

警察官採用試験の減少

背景には、警察志願者が減っていることがある。警察庁によると、全国の警察官採用試験の受験者と競争倍率は、10年間でほぼ半減。15年度の受験者数は9万2894人だったが、24年度は4万3059人だったという。競争倍率も6.1倍から3.5倍にまで落ち込んだ。

他の合格先に進むことなどを理由に、採用を辞退する人の割合も年々増加。15年度は27.5%だったが、24年度は38.1%になった。近年、少子高齢化や人口減少に加え、民間企業との人材獲得競争が激化。待遇がより良い民間企業を選ぶ学生が増えているためとみられる。

ドラマ「教場」の影響

警察学校を舞台にした人気ドラマ「教場」では、木村拓哉さん演じる教官が学生に退校届を突きつけるシーンが描かれている。警察幹部によると、ドラマから「警察学校が厳しい」との印象を抱いた学生もいたという。複数の警察幹部は「実際にはドラマのようなことはない」と話す。

警察官の退職者は今後、十数年、増加傾向の見込み。このまま受験者数が減り続ければ、警察活動に必要な人数を確保できなくなる恐れもあるという。

採用試験も緩和

採用試験も緩和されている。今年度から、大阪府警はスポーツでの活躍や外国語の資格保持といった経歴・経験を評価する「自己推薦方式」で、漢字や数学の教養試験をなくした。兵庫県警は試験科目から論文を廃止。福井県警では体力試験の「握力」「20メートルシャトルラン」「立ち幅跳び」を廃止し、5種目から3種目にした。

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ある警察幹部は「まずは『警察学校は厳しい』という印象を払拭しなければならない。犯罪が匿名化・流動化し、高度で専門的なサイバー犯罪も多発している。警察官が担う業務や求められる能力も多様化しており、時代の変化に対応できる人材を採用していきたい」としている。