ロッキード事件50年、特捜部の「ゆがみ」を弁護人が語る
ロッキード事件50年 弁護人が語る特捜部のゆがみ

戦後最大の疑獄事件と称されるロッキード事件では、東京地検特捜部が田中角栄・元首相を逮捕した。首相在任中の行為について首相経験者の刑事責任が問われたのは憲政史上初めてのことだった。特捜部は国民の支持を集め、「最強の捜査機関」として名をとどろかせた。その一方で、捜査手法の問題点も指摘された。

特捜検察に「ゆがんだエリート意識」

この事件は検察に何をもたらしたのか。50年後の今も続く特捜検察の「ゆがんだエリート意識」を植え付けた――。田中元首相の裁判で弁護人を務め、その後の検察改革にも携わった石田省三郎弁護士(79)はそんな見方を示す。

「巨悪の処罰」と大義名分のもとでの軽視

ロッキード事件の捜査では「巨悪の処罰」という世論の熱狂と大義名分のもと、法の適正な手続きが軽視された。例えば、田中元首相に5億円を贈ったとされるロッキード社元副会長らの証言が記された「嘱託尋問調書」を作ったことである。この調書は元副会長らに対し「起訴しない」との刑事免責を与えたうえで、米国に依頼して作成された。全容解明には元副会長らの証言が必要だと検察が考えたからだろう。

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当時の日本の法律に刑事免責制度はなかったが、日米間の実務協議という超法規的な枠組みでそれを可能にした。刑事司法の根幹を否定する脱法行為だった。

「あしき特捜至上主義」が定着

調書の内容を信用できるかどうかという問題もある。石田弁護士は、こうした捜査手法が「あしき特捜至上主義」を定着させたと指摘する。

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